OSIとFSF、米司法省に米Novellの特許を取得するCPTN Holdingsへの調査を依頼

 Open Source Initiative(OSI)とFree Software Foundation(FSF)は1月19日、米司法省に対し、米Novellの特許を取得するCPTN Holdingsの取引内容に関する調査を共同で依頼したことを発表した。これまで表向きにタッグを組むことが少なかった2団体の、前例のない共同活動となる。

 2010年11月にAttachmateがNovellを22億ドルで買収することが発表され、、Novellが持つ882件の特許はCPTN Holdingsが4億5000万ドルで取得するという計画が明らかにされていた。その後、ドイツ規制当局に提出した書類から、CPTN Holdingsは米Microsoft、米Apple、米EMC、米Oracleからなるコンソシアムであることがわかった。

 これを受け、OSIは2010年末、ドイツの規制当局に対し、「オープンソースコミュニティに対して危険である」としてCPTN Holdingsに関する調査を依頼した。しかし2011年1月初め、CPTN Holdingsはドイツ規制規制当局局への申請を撤回、ドイツ側は調査を中止している。OSIとFSF Europeは欧州連合(EU)にも調査を依頼したが、EUの規制当局代表者が欧州議会議員に対し「EUレベルでの調査の必要性はないだろう」という見解を示したことを、フリーソフトウェアと特許の専門家であるFlorian Mueller氏が1月18日付けで伝えている。

 OSIとFSFはともに、フリー/オープンソースを推進する非営利団体として知られるが、これまで法律関係で協業することはなかったという。OSIのボードメンバーで元Sun Microsystems最高オープンソース責任者のSimon Phipps氏は、今回の共同作業を「前例のないこと」と形容、関係者が大きな懸念を抱いていることを伝えている。

Open Source Initiative
http://www.osi.org/

Free Software Foundation
http://wwwfsf.org/