Ustreamの配信を見逃さないようにする「UstAlert」

 2010年を代表するウェブサービスといえば何といっても「Ustream」が上げられるだろう。誰でも手軽に動画のライブ配信が行えるようになり、Twitterとともにリアルタイムウェブの潮流を決定づけた。しかし、Ustreamでの配信はリアルタイムでしか見られないものもあり、そのようなものはその瞬間を見逃すと二度と見られない。そこで利用したいのが「UstAlert」である。

 Ustreamで行われる配信は生で視聴するのが基本になっている。配信済みの動画をアーカイブしておく機能もあるが、使われているのは一部の配信にとどまり、自由にタイムシフト再生できるわけではない。また、仮にお目当ての配信がアーカイブされていても、リアルタイムでないと視聴しながらのコミュニケーションを楽しむことはできない。

 今回紹介するUstAlertは、登録しておいたチャンネルを自動でチェックし、配信が始まるとサウンドとポップアップで通知してくれるというシンプルなツールだ。これを利用すれば、PCでの作業に熱中していて配信時刻を過ぎてしまったというようなミスを防げる。特に多数の配信を欠かさず見ている人や、不定期で行われる配信を見逃したくない人におすすめだ(図1)。

図1 UstAlertはUstremの配信開始を通知してくれる
図1 UstAlertはUstremの配信開始を通知してくれる

UstAlertのインストール

 UstAlertはSourceForge.JPのダウンロードページから入手できる。Windowsのマークとともに「DL」と書かれたアイコンをクリックし、アーカイブをハードディスクに保存すればよい。最新の1ファイルしか表示されていないので迷うことはないだろう(図2)。

図2 このボタンをクリックしてUstAlertをダウンロードする
図2 このボタンをクリックしてUstAlertをダウンロードする

 UstAlertの動作には.NET Framework 3.5が必要だ。Windows 7の場合はデフォルトで導入されているが、VistaやXPの場合はダウンロードセンターから保存するか、Windows Updateを利用してインストールしておこう(図3)。

図3 あらかじめ.NET Framework 3.5をダウンロードして導入しよう
図3 あらかじめ.NET Framework 3.5をダウンロードして導入しよう

 UstAlertにインストーラなどは特に用意されていない。ダウンロードしたアーカイブを適当なフォルダに解凍し、生成された「UstAlert.exe」をダブルクリックで実行すれば利用可能になる。必要があればデスクトップなどにショートカットを作成しておくか、スタートアップに登録しておくとよいだろう(図4)。

図4 UstAlertはアーカイブを解凍するだけで使えるようになる
図4 UstAlertはアーカイブを解凍するだけで使えるようになる

UstAlertの使い方

 Ustreamのライブ配信開始をUstAlertでチェックするには、まず目的の配信ページをブラウザで開く。正常に表示されたらURLの「http://www.ustream.tv/channel/」以降の文字列を範囲選択してコピーしよう。これがUstAlertに登録すべきチャンネル名である。ただし、チャンネル名に「#utm_campaign=unknown」などの文字列が含まれている場合は「#」以降を選択しないか、削除してからコピーするように注意されたい(図5)。

図5 URLの「channel/」以降が目的のチャンネル名だ
図5 URLの「channel/」以降が目的のチャンネル名だ

 UstAlertを起動すると「チャンネル設定」画面が表示される。デフォルトでは開発者の配信ページのみが登録されているので、上部ツールバーのテキストボックスに先ほどコピーしたチャンネル名を貼り付けて「追加」をクリックする。(図6)。

図6 チャンネル名を入力し「追加」をクリックすると登録できる
図6 チャンネル名を入力し「追加」をクリックすると登録できる

 チャンネルが正常に追加されると配信状況が即座に確認され、画面下部の一覧に配信内容の解説や現在の視聴者数が表示される。同様の手順でチェックしたい配信をすべて登録しておこう。不要になった配信は選択して「削除」をクリックすると登録解除できる。登録が終わったら「×」をクリックし、通知領域へ最小化しておくとよい(図7)。

図7 一覧にチェックしたい配信を登録したら「×」をクリックする
図7 一覧にチェックしたい配信を登録したら「×」をクリックする

 登録した配信が始まると、アラートの音声と同時に通知画面がポップアップで表示される。チャンネル名と詳細の説明、チャンネルごとのアイコンも表示されるので何が始まったのか分かりやすい。また、配信中はアイコンが赤い色で表示される(図8)。

図8 配信が始まるとポップアップとサウンドで通知が行われる
図8 配信が始まるとポップアップとサウンドで通知が行われる

 通知領域のアイコンをダブルクリックするとチャンネル設定画面が開く。「ステータス」が「live」となっているのが配信中のチャンネルだ。選択してダブルクリックすると標準のブラウザで配信ページが表示される(図9)。

図9 チャンネル名をダブルクリックすると配信ページを開ける
図9 チャンネル名をダブルクリックすると配信ページを開ける

UstAlertの設定

 通知領域に表示されているUstAlertのアイコンを右クリックし、コンテキストメニューから「詳細設定」を選択すると、配信通知に関する設定が行える。「一般」タブではポップアップの表示時間を変更可能だ。デフォルトでは3秒になっているが、見落としを防ぐには長めにしておくとよいだろう(図10)。

図10 ポップアップの表示時間は秒単位で自由に設定できる
図10 ポップアップの表示時間は秒単位で自由に設定できる

 「サウンド」タブではアラートに使う音声ファイルを変更できる。デフォルトではUstAlertのフォルダ内にある「sound」フォルダの「alert.wav」になっている(図11)。

図11 アラート音を「サウンド」タブから変更可能だ
図11 アラート音を「サウンド」タブから変更可能だ

 「テーマ」タブではポップアップのデザインを4種類から選択可能だ。好みに応じて使い分けるとよいだろう。なお、テーマはUstAlertフォルダ内の「themes」フォルダに保存されている。「273×96」ピクセルのビットマップ画像なので簡単に自作可能だ(図12)。

図12 ポップアップのデザインは「テーマ」タブのプルダウンメニューから選択できる
図12 ポップアップのデザインは「テーマ」タブのプルダウンメニューから選択できる

今回紹介したツール:UstAlert