商用MMORPG「Ryzom」の全ソースコードがオープンソース化

 キプロスに籍を置くWinch Gate Propertyは5月6日(フランス時間)、同社が権利を持つMMORPG(多人数同時参加型ロールプレイングゲーム)の「Ryzom」をオープンソースにすることを発表した。ソースコードに加え、3次元オブジェクトなどのアートワークも公開する。

 RyzomはフランスのゲームスタジオNevraxが開発したオンラインゲームで、現在はWinch Gateが開発および販売を行っている。2004年に「The Saga of Ryzom」という名称でリリースされ、2006年に現在の名称に変更された。SFとファンタジーを組み合わせた独特の世界観が特徴で、2005年にはMMORPG.COMの「Best Story」賞を受賞している。

 今回、エンドユーザー向けクライアント、コンテンツ作成ツール、サーバーの全ソースコードをAGPL v3の下で公開する。コード行数にして200万行以上という。これに加え、3次元オブジェクト、テクスチャ、アニメーションなど2万点以上のアートワークをCreative Commonsの「CC BY-SA(表示-継承)」の下で利用できるようにする。これにあたり、Winch Gateは非営利団体のFree Software Foundation(FSF)と提携、FSFがホスティングする。開発者はこれらを利用して独自の仮想世界を構築できるという。

 FSFでは初のフリーソフトウェアゲームとして、Winch Gateの動きを評価している。

 フリーソフトウェアとした後も、Winch Gate内の同じチームがRyzomの開発にあたる。品質維持のため、Winch Gate社外で開発されたコードはスタッフがレビューしていく。今後、プロジェクト支援のためのコミュニティ管理グループを結成する計画もあるという。また、エンドユーザー向けには引き続き有料で提供され、得られた収益はRyzomの開発や運用にまわすと説明している。

Ryzom
http://www.ryzom.com/