「Ghostscript」の米Artifex、PalmをGPL違反で提訴

 米Artifex Softwareは12月2日(米国時間)、米Palmが自社のPDFレンダリングエンジン「MuPDF」を無断で製品に統合したとして、カリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所にて提訴したことを明らかにした。商用ライセンスを取得しておらず、GPL条項にも遵守していないという。

 Artifexは、米Adobe Systemsの「PostScript」や「Portable Document Format(PDF)」などページ記述言語向けの翻訳技術を「Ghostscript」製品ラインとして開発・提供するソフトウェア企業。オープンソース(GPL)と商用ライセンスを提供している。

 同社によると、Palmは最新の携帯電話「Palm Pre」のPDFビューア機能で、自社技術のMuPDFを無断で統合したという。MuPDFは高性能PDFレンダリングエンジンで、Artifexが著作権を有する。Palm Preのドキュメンテーション内にはMuPDFが含まれている旨が記述されているが、ArtifexによるとPalmはMuPDFの商用ライセンスを取得しておらず、またGPLについても遵守していないと主張している。

 MuPDFを統合したPDFビューアは、6月に出荷を開始したPalm Preの全端末に搭載されているとのことだ。

米Artifex Software
http://www.artifex.com/