Webページの任意の部分にマークを付けるFirefox拡張「Dog Ears」

 Webブラウザには、閲覧中のWebページのURLに名前やタイトルを付けて保存するブックマーク機能が備えられている。しかし、ブックマーク機能での記録はあくまでページ単位であり、ページ内の特定部分を呼び出したい、という場合には役立たない。そこで紹介したいのが、Webページ内の任意の部分にマークを付け、あとから呼び出せるようにするFirefox拡張「Dog Ears」だ。

 最近の多くのWebサイトでは、長いページは複数ページに分割され、あまり縦に長くならないようになっていることが多い。しかし、Wikipediaや小説など、文章系のWebサイトでは縦方向に長くなっているところもまだある。Dog EarsはそのようなWebサイトで有用だ。Dog Earsで付けたマークは自動的に保存され、再び同じページを開いた際に復元される。Webページの閲覧を中断した際にも、すぐに続きを開いて読み続けられるのだ。

 ちなみに「Dog Ears」という名前の由来は、英語で「本のページのすみを折る」ことを表す「Dog-ear」から来ているようだ。折った形が犬の耳に似ていることから呼ばれるようだ。

Dog Earsのインストールと基本的な使い方

 Dog Earsは、Firefoxアドオンサイトからダウンロードおよびインストールが行える。インストールが終わると、ステータスバーに「Dog Ears」アイコンが追加される(図1)。

図1 サイドバーに追加される「Dog Ears」アイコンとドロップダウンメニュー
図1 サイドバーに追加される「Dog Ears」アイコンとドロップダウンメニュー

 Dog Earsをインストールすると、ショートカットメニューに「Dog Ears」という項目が追加される。たとえばWebページ内にマークを付けるには、マークを付けたい場所にマウスポインタを合わせ、ショートカットメニューで「Dog Ears」-「マークを付ける」を選択する(図2、3)。マークを付けた場所には数字が表示され、Webページで最初に付けたマークには「1」、2つ目なら「2」、3つ目なら「3」と番号が振られていく。

図2 ショートカットメニューの「Dog Ears」-「マークを付ける」から、Webページ内にマークを付加できる
図2 ショートカットメニューの「Dog Ears」-「マークを付ける」から、Webページ内にマークを付加できる
図3 マークを付けた位置には番号が表示される
図3 マークを付けた位置には番号が表示される

 また、ショートカットキーを用いてマークを付けることもできる。マークを付けたい場所にマウスポインタを合わせ、Shiftキーを押しながらマウスを左クリックすれば良い。ただし、テキストの上にポインタを合わせてしまうと、Shift+マウスクリックをしても、テキストの範囲選択になってしまう場合がある。テキストの外側を選んでマークを付けるようにしよう。

 マークを付けた個所にジャンプするには、Shift+スペースキーを入力すれば良い。また、ショートカットメニューの「Dog Ears」-「次へ移動」でも同様の操作が可能だ。

図4 Shift+スペース、もしくは「Dog Ears」-「次へ移動」メニューで次のマークに移動できる
図4 Shift+スペース、もしくは「Dog Ears」-「次へ移動」メニューで次のマークに移動できる

 もちろん、いったん付けたマークはFirefoxを終了させても保持される。マークを削除するにはマークの上にマウスポインタを合わせてShift+マウスクリックを行うか、ショートカットメニューから「Dog Ears」-「このDog Earsを削除」を選択すれば良い(図5、6)。また、ショートカットメニューで「すべてのDog Earsを削除」を選択するか、Ctrl+Shift+スペースを同時に押すことで、開いているWebページ内にあるすべてのマークを削除できる。

図5 マークにマウスポインタを合わせてShift+マウスクリック、もしくはショートカットメニューの「Dog Ears」-「このDog Earsを削除」でマークを削除できる
図5 マークにマウスポインタを合わせてShift+マウスクリック、もしくはショートカットメニューの「Dog Ears」-「このDog Earsを削除」でマークを削除できる
図6 ショートカットメニューの「すべてのDog Earsを削除」、もしくはCtrl+Shift+スペースで開いているWebページ内にあるすべてのマークを削除できる。ショートカットメニューから全削除を実行した場合は、確認メッセージボックスが表示される
図6 ショートカットメニューの「すべてのDog Earsを削除」、もしくはCtrl+Shift+スペースで開いているWebページ内にあるすべてのマークを削除できる。ショートカットメニューから全削除を実行した場合は、確認メッセージボックスが表示される

 そのほか、サイドバーにマークの一覧を表示させる機能もある。サイドバーを表示するには、ショートカットメニューで「サイドバーを表示」を選択すれば良い。サイドバーではマークを付けたWebページのタイトルやマークの数を一覧表示させたり、「新しいウィンドウで開く」や「新しいタブで開く」、「削除」といった操作が行える(図7)。

図7 サイドバーではマークの一覧表示や、新しいウィンドウ/タブで開くといった操作が行える
図7 サイドバーではマークの一覧表示や、新しいウィンドウ/タブで開くといった操作が行える

Dog Earsの設定

 ショートカットメニューの「オプション」からは、Dog Earsの動作に関するさまざまな設定を行える(図8)。ほとんどの項目がデフォルトでOnとなっているが、まずおすすめしたいのは「一般」の枠の中にある「各ページの読み込み時に最後に使用したDog Earsを表示する」にチェックを入れておくことだ。この設定は、再びページを開いた際に最後にチェックしたマークを開くというものだ。

図8 「Dog Earsのオプション」では、Dog Earsの各機能のOn/Offを設定できる
図8 「Dog Earsのオプション」では、Dog Earsの各機能のOn/Offを設定できる

 このほか、削除の際の確認や、キーボードとマウスのショートカット、メニュー表示などについても使用の可否が設定可能だ。

 Dog Earsは決して必須アイテムではないかもしれないが、Firefoxのブックマーク機能にない機能を実現する、かゆいところに手が届く拡張機能であるといえるだろう。