米Red Hatが「RHEL 4.8」をリリース、5.0へのマイグレーションに主眼

 米Red Hatは5月18日(米国時間)、Linuxディストリビューション「Red Hat Enterprise Linux(RHEL) 4.8」を発表した。サブスクリプションユーザーは、Red Hat Networkより最新版を入手できる。

 RHEL 4.8は、2005年2月にリリースされたバージョン4.0系の8回目のメジャーアップデートとなる。今回のアップデートより「Production 2」とよばれるライフサイクルに入り、重要なバグ修正と現行版「Red Hat Enterprise Linux 5.0」へのマイグレーション支援にフォーカスが切り替わっている。

 仮想化、Windows互換性、ストレージ/ファイルシステムなどが主な強化点となる。仮想化では、Red Hatが今後ベースとするハイパーバイザー「KVM」上に実装したRHEL 4向けデバイスドライバを導入した。また、仮想ゲストでサポートするディスクデバイスを16から256に増加、大規模な仮想化実装に対応するという。Red Hatは今年2月、KVMベースの仮想化戦略を打ち出しており、Xenを利用する顧客には継続してサポートを提供しつつ、将来的にはマイグレーションを促す方針を明らかにしていた。

 Windowsとの互換性では、最新のSambaに対応することで、Windows環境向けファイルサーバーとして実装できるほか、「Windows Client Access Licenses(CALs)」なしにWindowsクライアントをRHELサーバーにアタッチできるという。

 ファイルシステムでは「Device Mapper」のレポーティング機能が改善された。開発者向けには、「GNU Compiler Collection」の更新により、RHEL 5と互換性のあるアプリケーションをコンパイル可能となった。

 このほか、「Open Fabric Distribution Networking」の強化などにより、全体の性能も改善されている。

 Red Hatのサポートポリシーにより、RHEL 4は2012年2月までサポートされる。

米Red Hat
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