LinuxWorldのInstallfest:全国規模の計画への呼び水となるか

 IDG World Expoは、オープンソースセキュリティゲートウェイプロバイダのUntangle、電子機器リサイクルのAlameda County Computer Resource Center(ACCRC)と協力し、来週、サンフランシスコで開かれるLinuxWorld Conference and ExpoでInstallfest for Schoolsを実施する。廃棄された古いコンピュータにボランティアが手を加え、フリー/オープンソースソフトウェア(FOSS)をインストールして、予算不足に悩む学校に寄贈する。

 LinuxWorld主催者側では、このInstallfestがLinuxコミュニティによる継続的な活動となることを望んでいる(実現すれば、この種の活動としては2番目)。もともとは昨年10月、San Francisco Linux Users’ Groupの集まりで生まれたアイデアだった。経済的に恵まれない生徒のためにコンピュータの再生をやろうという話が出た。早速、今年3月、サンフランシスコ湾周辺の4箇所で、UntangleとACCRCにより最初のInstallfest for Schoolsイベントが組織された。Untangle社の上級製品マネージャAndrew Fifeによると、130人のボランティアの手で350台のコンピュータがUbuntuマシンに生まれ変わり、カリフォルニア州北部の学校に寄贈された。

 このイベントの成功から、Installfestの規模拡大の構想が持ち上がった。LinuxWorldで、もっと多くのボランティアを募ったらどうだろう。「1度にこれほど多くのLinuxオタクが集まる場所はありませんからね」とFifeは言う。

 有益な公共奉仕であり、それも恵まれない生徒の役に立つ事業とあって、LinuxWorldの組織者も大いに関心を持った。「ちょうど、そういうことが何かできないかと模索していたところへ、Untangleの活動のPR効果を知ったわけです。LinuxWorldとしても、できるだけ多くのコンピュータが学校に寄贈されるのを見たいですしね」とLinuxWorldの総務担当副社長Melinda Kindleは言う。そうしたイベントなら、Linuxの何たるかを理解してもらい、オープンソースソフトウェアの使用を広めるうえでも役立つだろう。

 LinuxWorldが寄贈コンピュータの集積地となる、とKindleは言う。イベント組織者が出席者に働きかけ、不用コンピュータを寄贈してもらう。応じてくれた人には、確定申告用の寄付証明書が渡される。

基本仕様

 Installfestの関係者はできるだけ多くのコンピュータを再生したいと考えているが、寄贈されてくるすべてのコンピュータがUbuntu OSを搭載できるわけではない。Ubuntuのインストールには、Pentium IIIプロセッサと、少なくとも256MBのRAM、20GBのハードディスクが必要である。PentiumやPentium IIクラスのプロセッサでは、Ubuntuを扱うには能力不足だ。だが、必要条件を満たさないコンピュータであっても、寄贈されたコンピュータは最終的にすべて学校に引き渡される、とFifeは言う。

 最初のInstallfestで経験を積むことが、使えないコンピュータの数を減らすことに役立つ。たとえば、問題のあるコンピュータであっても、分解して、使用できる部品の供給源として使うことができるだろう、とFifeは言う。

 再生したコンピュータを学校に寄贈することで、LinuxWorldのスポンサー団体は2つの重要な目的を実現できる。Linuxというプラットフォーム選択を世に知らせることが1つ、廃棄されたコンピュータを埋立地のごみとせずにすむことがもう1つである。

 「子供らが技術を身につけること、そしてフリーやオープンソースの概念が世に広まること――この2つが大切です」とFifeは言う。「そのコンピュータを手にする人々は、従来、MacとWindows以外にコンピュータ経験のほとんどない人々ですからね」

 ACCRCは全国規模で定期的に学校への寄贈を行っている。コンピュータを必要としている学校は、Alameda County Computer Resource CenterのWebサイトに行き、用意された申し込み用紙で申し込みをする。

 Fifeによると、UntangleとACCRCは、今後、Installfest for Schoolsの回数を増やし、最終的には、常時、国のどこかでイベントが行われているような分散体制を作り上げる意向だという。

Linux.com 原文