辞書エクステンション、EuroOffice Dictionary
使い方はきわめて簡単。通常のOpenOffice.orgエクステンションだから、拡張機能マネージャー(ツール→拡張機能マネージャー)を使ってインストール可能。すべての辞書機能は、インストールすると現れるEuroOffice Dictionaryツールバーから利用する。まず、ツールバーの左端にあるドロップダウン・リストで辞書引きのソース言語とターゲット言語を選ぶ。そして、Word to Translateフィールドに調べたい単語を入力すると、Translationフィールドにすぐに意味が現れる。どちらのフィールドもドロップダウン・リストとしても機能する。Word to Translateフィールドのリストには、入力した語句だけでなく関連する表現も表示される。たとえば、favoriteと入力するとドロップダウン・リストにはfavoringやfavoritismなども表示される。一方、「Translation」フィールドのリストには、対応する単語が並ぶ。
同梱されている辞書は、Freeエディションでは、英語、ドイツ語、フランス語。有料、4.90ユーロ(約7ドル)のProfessionalエディションには、これに加えて、イタリア語、ハンガリー語、ポーランド語、スペイン語、オランダ語の辞書が付く。
また、Professionalエディションには、Freeエディションにはない機能もある。たとえば、使用中に単語を追加する機能があり、調べたい単語が辞書になかった場合、ツールバーのAdd new wordボタンをクリックするとその単語と意味を追加することができる。カーソルを単語の先頭に置くだけで意味を調べることのできるカーソル・モニタリング機能も便利だ。いちいちツールバーを使う必要がなく、知らない単語の多い外国語の文章を読むときに非常に助かる。しかも、ツールバーのTranslationドロップダウン・リストで意味を選べばその単語を置き換えることもできる。本格的な翻訳ツールの代わりにならないのはもちろんだが、間に合わせの逐語訳には十分だ。
FreeエディションとProfessionalエディションの違いについては、Webサイトをご覧いただきたい。相違点が比較表にまとめられている。
同梱されている辞書だけで足りなければ、自分で辞書を作り追加することもできる。作成は容易だ。辞書の形式はCSVで、データの形式は「単語;意味1;意味2」という単純なもの。たとえば、monkeyという単語であればデンマーク語の場合「monkey;abe」とする。テキスト・エディターを使って作成したこのテキスト・ファイルをUTF-8エンコード、SL-TL.CSVという名前で保存する。ここでSLはソース言語の2文字の略称(英語ならEN)、TLはターゲット言語の略称(デンマーク語ならDK)。辞書ができたらEODに追加する。この作業も容易で、ツールバーの言語対のドロップダウン・リストでAdd new dictionaryを選び辞書ファイルを指定するだけだ。
Professionalエディションでは、CSV形式の辞書のほかにDICTファイルも使える。したがって、あまたある既存の辞書を活用することができる。また、辞書を簡単に追加、削除、編集することのできる辞書マネージャーも付いている。
Webには数多くの辞書が無償で提供されているし、書店には質のよい辞書がたくさん並んでいる。しかし、OpenOffice.orgを使っているときにその場で手軽に単語を調べたいときもある。そんなときは、EuroOffice Dictionaryエクステンションが便利だ。お試しあれ。
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Dmitri Popov フリーライター。ロシア、英国、米国、ドイツ、デンマークのコンピューター雑誌で活躍している。