企業でのLinux利用は増勢 IDC調査
IDCが「The Role of Linux Servers in Commercial Workloads」と題する報告書をまとめた。Linuxは企業分野において成功しており十分な能力を持つことを証明したとし、Linux利用の拡大傾向は2011年まで続くと予測している。その一部は、4月8日にテキサス州オースティンで開幕するLinux Foundation Collaboration Summitの開幕基調講演で同社のアナリストAl Gillenによって発表される。
同報告書によると、企業におけるLinuxの利用はWeb/印刷/DNSサーバー、ネットワーキング、セキュリティー・サービスなどのインフラストラクチャーを構成する基礎的コンポーネントに使われる導入レベルを超えて広がりつつあり、2007年に総額210億ドルだったLinux関連支出は今後4年間で2倍以上になると予測している。
Linuxの利用が拡大している理由として、同報告書は、企業でLinuxを利用する場面が増えていることをあげ、「データベース、ERP、意思決定支援、一般業務処理などでもLinuxが使われるようになり、全ワークロードに占める割合が着実に増えている」とする。
Linux向けのハードウェア/ソフトウェア/サービスに対する支出は2011年まで年率25.2%で増加、Linuxソフトウェア運用環境に限ると同じ期間の増加率は35.7%に達するとしている。
また、これまでのLinuxの利用増は、Microsoftプラットフォームからの移行ではなく、プロプライエタリーなUnixマシンからの移行がほとんどだったとし、今後はMicrosoftだけでなくUnix陣営のOpenSolarisとの競争も予想されるとしている。
分野ごとに見ると、移行先プラットフォームは、行政・教育/財務/一般サービス分野ではLinuxがWindowsを確実に引き離しており、メディア/出版分野では同程度(その次はUnix)、小売り・卸売り/製造/医療分野ではMicrosoftが依然として優勢だとしている。