KoverartistによるCDケースカバーの簡単作成

 カメラからLinuxコンピュータに写真やビデオを移し、それをDVDに焼くだけなら、さまざまなオープンソースツールがあって、どれでも選べる。だが、焼いたディスクをおじさん、おばさん、いとこに送るまえに、それに自分だけのカバーをつけられたらすばらしいと思わないだろうか。 Koverartist は、芸術的なCDケースカバーを簡単に作るためのKDEアプリケーションである。

 Koverartistのインストールには、Ubuntuユーザなら「sudo apt-get install koverartist」コマンド、Fedoraユーザなら「yum install koverartist」コマンドを使う。インストールしたKoverartistには、Multimediaメニューからアクセスできる。

 Koverartistのインタフェースでは、すべてのコントロールとオプションが画面の左側にまとめられていて、迷いようがない。画面右側では、上のスライドにディスクカバーの表側、下のスライドに裏側が表示される。

 Koverartistのインタフェースには、デフォルトではProject、Options、1という3個のタブがあるが、この数はケースカバーをいくつ作りたいかで変わる。たとえば、ビートルズのアルバムが3枚あって、それぞれにカバーを作りたいなら、Number of Discsフィールドに3を指定する。これでタブの数は、Project、Options、1、2、3の5個となる。この場合、3枚のケースカバーには同じタイトル効果とテキスト効果が適用されるが、ディスク内容(各アルバムのトラック)はそれぞれのタブで指定できる。ディスク内容はカバーの裏側に表示される。

カバーの作成

 ケースカバーの作成では、まず、ProjectタブにあるCaseドロップダウンリストからケースの種類を選択する。次に、ディスクのタイトルを指定する。このタイトルは、カバーの一番上、真ん中、一番下のどこにでも置けるし、左右どちら側に寄せてもよい。テキスト効果の指定には、画面左下にあるコントロールを使う。使用できる効果はGlow、Box、Outline、Shadowの4つで、筆者自身はGlow効果が気に入っている。選択した効果の寸法の指定には、Sizeスクロールバーを使う。

Koverartist_thumb.jpg
Koverartist

 次にOptionsタブに移動する。ここには、カバーの表と裏の背景に絵を使うなど、おもしろいオプションがいくつかある。背景に絵を貼るのがいやなら、色を選択することもできる。ディスクの内容が写真なら、そのうちの2枚を選んで表と裏の背景に使うのもよいだろう。

 3番目のタブでは、ディスクの内容を入力する。これが裏カバーに表示される。ディスク内容を入力し終わったら、Optionsタブに戻り、裏カバーに使うテキスト効果を指定する。使えるオプションは、Projectsタブでタイトルとサブタイトルに使用したオプションと同じである。また、ディスクのタイトルが裏カバーの左右両サイドに表示されるので、このサイドテキストにもテキスト効果を指定できる。1つ残念なのは、Koverartistではディスク内容を裏カバーのどこに表示するかを指定できないことである。

 筆者がKoverartistで最も気に入っている機能の1つに、インターネット検索がある。Extras → Search for cover imagesをクリックすると、KoverartistがKonquerorを起動し、カバーのタイトルによくマッチする絵をGoogle画像のなかから探し出してくれる。また、音楽CDのカバーを作成したいなら、ディスクを挿入して、Disk → Import Audio-CDをクリックするだけでよい。選択したカバーの種類に合わせて、Koverartistがその音楽CDのタイトル、サブタイトル、ディスク内容(トラック)を自動的に入力してくれる。

 このプログラムで唯一不満な点は、元に戻すためのアンドゥーボタンがないことである。入力したテキストは入れ替えられるし、色もテキスト効果も変更できるが、表カバーまたは裏カバーに置く画像を指定したら最後、これを取り除くことができない。つまり、ディスクのカバーに考えなしに絵を置いてしまって、あとで「やっぱり絵はいらない」となったら、最初からやり直さなければならない。その絵に至るパスを消して、代わりに背景色を選ぶということができない。

 このアンドゥーボタンがないという1点を除けば、Koverartistはすばらしいプログラムである。優雅なケースカバーをほんの数分で作れる。

Shashank Sharmaは、新規ユーザ向けにフリーソフトウェアとオープンソースソフトウェアの紹介記事を書き、Linux.comのフォーラム板でモデレータを務める。Beginning Fedora(Apress社刊)の共著者でもある。

Linux.com 原文