Alfresco、オープンソースのECMスイート新版を発表――Adobe「Flex 2」を新たにサポート

 英国Alfresco Softwareは12月4日、オープンソースのエンタープライズ・コンテンツ管理(ECM)ソフトウェア・スイートの新バージョン「Alfresco 2.9」を発表する見通しだ。同社は先ごろ、Alfrescoと米国の大手ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)サイト「Facebook」とのサービス連携を発表したばかりだが、今回のバージョンアップでは、Webベース・サービスとして人気の高い「iGoogle」や「MediaWiki」のほか、米国Adobe SystemsのWeb開発フレームワーク「Flex 2」との連携がサポートされた。

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Alfresco SoftwareのWebサイト。Alfresco 2.9は同サイトから無料でダウンロードできる。

 AlfrescoのCMO(最高マーケティング責任者)、イアン・ハウエルズ(Ian Howells)氏は、発表に際し、「多くの人々に利用されているデファクト・スタンダードのツールとの連携を強化したことで、ソーシャル・ネットワーキング・プラットフォーム上で、昔ながらのエンタープライズ管理機能が使えるようになっている」と語った。

 新バージョンは、AdobeのFlex 2の実装が可能で、Alfrescoのプラットフォーム上でより容易にリッチ・インターネット・アプリケーション(RIA)を開発できるようになっている。Howells氏は、「Flexをサポートしたことで、高性能で生産性の高い開発環境が生まれるだろう」と期待を寄せる。

 Alfrescoは同ソフトウェア・スイートを無料で提供し、有料のサポートで収入を得ている。同社によれば、現在、Morgan Stanleyなどの大手企業を含む2万ユーザーがAlfrescoを導入しているという。

 一方、ライバルの米国Microsoftは、「SharePoint」をソーシャル・コンピューティング・プラットフォームとして位置づけ、Alfrescoに対抗している。

 Alfrescoの幹部は、バージョン2.9のリリースに先駆けて発表したマーケティング資料で、SharePointは「低速かつ低スケーラビリティ」で、「プログラミングしたり、拡張したりするのに手間がかかる」と、手厳しい評価を下している。

 Howells氏はそこまで厳しいことばは使わなかったものの、「Sharepointは大きな影響力を持っているが、オープンソースも負けてはいない。いずれにしろ、何から何まで1つのスタックの中に閉じこめるのは避けたいと考えている人は少なくない」とコメントしている。

 同社は現在、Alfrescoの次期バージョン「3.0」の開発を進めており、2008年前半には完成する見込みだという。同スイートは今後も流動的に進化していくと、Howells氏は説明している。「他のツールをすぐに統合できる環境を作ってきたので、12~18カ月といった通常のリリース・サイクルに縛られることなく、迅速に進化を遂げられるのがわれわれの強みだ。Facebookにしても、12~18カ月前には今ほど巨大なサービスではなかった」(同氏)

(Chris Kanaracus/IDG News Serviceボストン支局)

英国Alfresco Software
http://www.alfresco.com/

提供:Computerworld.jp