オープンソースに一歩近付いたO3Spaces 2.2

 O3Spaces Workplaceは、コラボレーションとドキュメント管理を行うためにワークグループや企業で使用する、プロプライエタリな統合アプリケーションである。登場から約1年を迎えるこのほど、その開発元から、バージョン2.2のベータ版がリリースされた。この新バージョンには、驚嘆すべき新機能は特に搭載されていないものの、Microsoft SharePointに取って代わる有力な選択肢としての地位を確かなものにすることを目指して、さまざまな改良が加えられている。

 O3Spaces Workplaceに加えられた機能改良の1つが、ロック管理の向上である。チェックインとチェックアウトのプロセスをユーザが細かく制御できるようになった。また、検索と並べ替えの機能も改良され、ドキュメント、ユーザ、グループ、その他の概要に対し、データの検索と並べ替えをすばやく行えるようになった。

 新バージョンの目玉の1つが、テンプレート管理機能の向上だ。ドキュメント・テンプレートの管理と配布を効率よく行えるようになっている。O3SpacesのCEOであるRob Mentink氏は次のように語る。「テンプレート管理モジュールはきわめて斬新な機能です。ワークプレースの管理者が、ワークプレースのロールと権限に基づいて、OpenOffice.orgのメニューにドキュメント・テンプレートを追加できます。これにより、各バージョンのドキュメント・テンプレートを一元的に管理でき、ユーザは適切なテンプレートすべてをすばやく利用できます」。テンプレート管理モジュールは、O3Spaces Workplace 2.2のベータ版では利用できないが、4~6週間で登場する予定の最終リリース版には搭載される。

 O3Spaces Workplace 2.2には匿名アクセスの機能があり、ワークスペースのコンテンツを外部のwikiシステムやWebサイトにリンクできる。また、複数の同時アップロードがサポートされており、アップロードの完了を待たずに作業を再開できる。OpenOffice.orgとO3Spaces Workplaceを連携するOpenOffice.org Assistantにも、いくつかの変更が加わっている。ワークスペースへの接続に加えて、新しいワークスペースの作成をOpenOffice.org内で直接行えるようになった。また、Webインタフェースの面では、読み込みと表示のパフォーマンスが向上されたほか、GUIにもいくつかの改良が加わっている。

 しかし、とりわけ重要なのは、O3Spaces WorkplaceにCommunity Edition(CE)というバージョンが用意されたことだ。O3Spacesの登場以来、その開発元はかねてから、このソフトウェアのオープンソース・バージョンをリリースすると公言してきた。そして、今回のCEバージョンは、「その方向に進む第1歩」であるとMentink氏は言う。バージョン2.2は依然クローズド・ソースではあるが、無償で使用でき、最大10ユーザまでの管理が可能だ。

Dmitri Popovはロシア、英国、米国、ドイツ、デンマークの各コンピュータ誌に寄稿しているフリーランスライタ。

linux.com 原文