米国下院の共和党議員ら、Googleに対する公聴会を要請
同グループを構成するのは、米国下院エネルギー商業委員会の商業・貿易・消費者保護小委員会の共和党議員12名。この議員らは、同小委員会のボビー・ラッシュ委員長(民主党議員)に、公聴会の開催を求める書簡を11月6日付けで送付した。
議員らは、9月27日に上院で開かれたGoogleのDoubleClick買収計画に関する公聴会において、この買収の消費者保護への影響に関して未解決の疑問が残ったことに懸念を表明している。書簡の中で議員らは「われわれは、消費者の利益が守られるように、この件に関する詳細な調査を実施しなければならない」と述べ、Googleがインターネット・ユーザーの個人情報を収集した後でどのように使用するかを調べるべきとの意向を示した。
さらに議員らは、書簡の中で「GoogleとDoubleClickは、検索キーワードの世界最大級のデータベース、およびオンライン・ユーザーの行動プロファイルに関する世界最大級のデータベースを持っている。両社のような企業の合併がプライバシーにもたらす影響は甚大だ。徹底的な調査を行わなければ、われわれと米国民は、影響の全容を十分に把握することができない」とも述べている。
今のところ、ラッシュ委員長のコメントは得られていない。同氏は7月、米国連邦取引委員会(FTC)に書簡を送付し、GoogleのDoubleClick買収計画に関するFTCの調査について非公開の報告を求め、この件について「公聴会の開催を検討している」と発言している。しかし、これまでのところ、商業・貿易・消費者保護小委員会はそうした公聴会の開催を予定していない。
一方、Googleの広報担当者であるアダム・コバセビッチ氏は、「Googleはユーザーのプライバシーの向上を目指し、業界の先頭を行く多くの取り組みを実施している。DoubleClick買収の成功は、われわれがユーザーの信頼を維持することにかかっている」と語った。
またコバセビッチ氏は、FTC委員のジョン・リーボウィッツ氏が先ごろ発言した、「オンライン・プライバシーは、個別の買収を超えた問題だ」(リーボウィッツ氏)との内容を引き合いに出し、「われわれは、FTCのように業界全体という枠組みでこの問題をとらえることが、議会にとって最も得策と考えている」とも語った。
Googleは今春、DoubleClickの買収についてFTCから調査を受けていたことを明らかにしている。この調査は、電子プライバシー情報センター(EPIC)、デジタル民主主義センター(CDD)、米国公共利益調査グループ(US PIRG)が、FTCに申立書を提出したことを受けて実施されたものだ。これらのプライバシー権利擁護団体は、インターネット・ユーザーを特定しうるクッキーなどのデータを、Googleがどのように扱うかについて懸念を表明している。
欧州の規制当局も、GoogleのDoubleClick買収に伴う競争上およびプライバシー上の問題に目を向けている。その一方で、オーストラリアの規制当局は先週、この買収を認める考えを明らかにしている。
(リンダ・ローゼンクランス/Computerworld 米国版)
米国Google
http://www.google.com/
米国DoubleClick
http://www.doubleclick.com/
提供:Computerworld.jp