SCOが破産申し立てへ
このところSCOの名を最もよく知らしめていたのは、Linux関連企業やLinuxユーザに対して根拠のない知的財産権を主張したものの、IBM、Novell、Red Hatをはじめとする企業に対する法的訴訟にメリットがないことが明らかになり、大儲けを狙っていた投資家たちが手を引いて株価が下がったという事実だった。本日、同社の株価は43%下落し、終値は37セントを付けた。ちなみに、2003年に同社が最初の訴訟を起こした直後の株価は20ドルだった。
一時は以下のような事件もあった。Darl McBride氏(今回SCOを並々ならぬ事態に導いたCEO)は、LinuxにはSCOに帰属する百万行ものコードが含まれ、著作権を侵害している、と主張していた。 McBride氏の主張に対してLinus Torvalds氏は「彼は嘘をついている」と応じ、最終的に裁判官はTorvalds氏の言い分を支持したのだった。
Microsoftは、サードパーティの投資会社を通じてSCOの訴訟への資金提供を約束した。だが、Microsoftからの支援を持ってしても体制の立て直しは成らず、今やSCOは赤字を増やし続けるよりもあっさりと連邦破産法第11条によって負債を放棄するほうがよいと認めているのだ。
以下にプレスリリースの内容を示す。
SCO Group、会社更生手続きを申請 ― 抱えていた経済的および法的難題の解決を図る会社更生によって従来の事業活動継続が保証され、顧客およびチャネルパートナーの継続的支援のための資産を確実に保護
9月14日、ユタ州リンドン、PRNewswire-FirstCall ― UNIX(R)ソフトウェアテクノロジおよびモバイルサービスのリーディングプロバイダ、SCO Group, Inc.(“SCO”、NASDAQ:SCOX)は本日、米連邦破産法第11条による会社更生手続きの自己申し立てを行ったことを発表した。SCOの子会社SCO Operations, Inc.もまた会社更生の申請を行った。SCO Groupの取締役会が満場一致で下した判断は、破産法第11条による会社更生がSCOとその子会社、さらには同社の顧客、株主、従業員の長期的な利益のために最善である、というものだった。
SCO Groupは破産手続きの完了まですべての通常業務を継続する意向。破産裁判所から承認されれば、SCOとその子会社は連結方式の経営からの新たなキャッシュフローを利用して更生手続き中の資金需要を賄う。
SCO Groupの社長兼CEOであるDarl McBride氏は、次のように語る。「当社の顧客およびパートナーの皆様には、引き続きSCOの製品、サポート、サービスを基幹業務にご利用いただけることを確約したい。破産法第11条による会社更生は、今後の再建計画策定に注力しつつもこの手続き期間にわたって資産を保護することが可能になる」
SCO Groupが破産裁判所に対して初日に提出した一連の動議は、顧客に対するあらゆる活動の継続と権利に一切の支障が出ないようにするものだった。この動議には、SCOによるベンダへの支払い、さまざまな専門分野の顧問との関係維持をはじめとする項目の申し入れも含まれている。
SCOについて
SCO Group(NASDAQ:SCOX)は、UNIXソフトウェアテクノロジおよびモバイルサービスのリーディングプロバイダ。各種エンタープライズアプリケーション向けにUnixWareを、中小企業向けにSCO OpenServerを提供している。SCOの非常に革新的で信頼性の高いソリューションは、顧客による日々の事業拡大、特にモバイル市場への参入に貢献している。SCOはもともとAT&T/Bell研究所によって開発されたUNIXオペレーティングシステムのコア部分の権利を所有し、UNIXベースのシステムソフトウェアプロバイダに対する独占的ライセンサになっている。同社のMe Inc.の製品シリーズはモバイルプラットフォーム、企業向けのサービスとソリューションに注力、モバイルワーカの生産性を向上する。
ユタ州リンドンに本社を置くSCOは、何千もの再販業者と開発者から成る世界規模のネットワークを持つ。また、SCO Global Servicesは、信頼できる局地的サポートおよびサービスをパートナーと顧客に提供する。SCOの製品およびサービスの詳細についてはhttp://www.sco.com/を参照。
SCOおよび関連ロゴは、米国内およびその他の国々におけるSCO Group, Inc.の商標または登録商標。
業績見通しに関する声明
上記プレスリリースに含まれる(i)破産法第11条の下での保護申請、同じく第11条による破産保護の下での当社の会社更生手続きに関する声明、および(ii)歴史的事実ではないその他の声明は、将来の見通しを示すものであり、1995年私募証券訴訟改革法(Private Securities Litigation Reform Act of 1995)の免責事項の下でなされている。これらの声明は経営陣による現時点の見通しに基づいており、リスクと不確定性を伴う。読者の方々には、数々の重要な要因によって実際の結果が過去の実績またはそうした見通しとは大きく異なったものになり得ることを勧告させていただく。そうした要因としては、当社による破産法第11条の適用申請の結果と進展、破産手続きにおける裁判所の裁定、破産手続きが保留になっている当社のその他訴訟への影響、資金の残高および運用可能な資金、結果的に当社の経営状況に影響を与え得る、当社のオペレーティングシステム製品が引き続きさらされる競争圧力、当社の訴訟の展開およびそれに関連する法的費用の増大または不透明さ、Me Inc.のモバイルサービスおよび開発プラットフォームを含む当社製品の開発およびマーケティングへの十分なリソース確保の失敗、同社がチャネルパートナーシップを形成する顧客および企業が同社との関係を終結させるか縮小するかの判断を行う可能性があるが、これらに限定されるものではない。今後の見通しと実績との大幅な相違をもたらし得る、これらをはじめとする要因については、2006年10月31日に終了した会計年度の年次報告書(Form 10-K)、2007年1月31日に終了した四半期の四半期報告書(Form 10-Q)、今後予定されている報告書など、当社が証券取引委員会に提出する定期的および最新の報告書に詳述されている。これらの業績見通しはそうした声明が出される日付の時点に限定して発表されるものであり、当社はその日以降に生じる出来事または状況を反映するために声明を更新する責任を一切負わない。