SCO買収の真相
SCOが所有するコードがLinuxに含まれていると主張していたMcBrideは、それ故にかねてから不興を買っており、9月の破産申請(翻訳記事)の際はLinuxコミュニティーの多くが快哉を叫んだ。しかし、瀬戸際に追い詰められたと見えたSCOは、もう少し持ちこたえることになりそうだ。
報道発表によるとSNCPの提案には「SCOの法的要求については、その終結に至るまで立ち会えるものとする」という文言が含まれている。よく知られた法律系WebサイトであるGroklawのエディターで、早い段階から事態の成り行きを注視しているPamela Jonesは「『SNCPはLinuxに対する攻撃を継続できるものとする』という意味だろう」と解説している。
SCOとSNCPの合意内容は次第に明らかになりつつある。InternetNews.comに掲載されたSean Michael Kernerの記事によると、SCOが前金で受け取るのは500万ドルのみで、残りは必要の都度支払われるという。この500万ドルという金額について、知的財産を扱う弁護士Mark RadcliffeがComputerWorldUK.comに対して興味深いことを指摘している。SCOがNovellを提訴した著作権訴訟の継続に必要な額と一致すると述べているのだ。
Kernerは、続いて、この合意はまだ正式に確定したものではなく、4月28日までに米破産裁判所の承認をうる必要があると述べている。承認が得られれば、McBrideは直ちにSCOを去り、承認されなかった場合はSCOの破産手続きが続行されることになる。
今回のSCO買収について、DatamationのRoy Schestowitzは次のようにコメントしている。あれほど多くの問題と波瀾万丈の過去を持つ企業を絶体絶命の危機から救おうとするとは。「なぜSCOに投資するのか。さらに重要なのは、なぜ今なのかだ」
GroklawのJonesはSNCPとMicrosoftのBill Gatesにはつながりがあると推測しているが、これが答えなのかもしれない。
しかし、詰まるところすべては考えすぎ、とも思える。The Linux Foundationのエグゼクティブ・ディレクターJim Zemlinは、推測や憶測はいろいろあるが、すべてうがちすぎだと言う。いわく、要するに「企業の死体を貪る投機家という図だ。SCO訴訟の事実は変わらず、Linux業界はこれまで以上に強くなっている」