Open XMLのISO承認投票が終了――フランスは反対、オーストラリアは棄権――結果判明は5日の見込み

 米国Microsoftの文書フォーマット「Office Open XML(OOXML)」を国際標準として承認するかどうかを決める国際標準化機構(ISO)の投票で、フランス規格協会(AFNOR)は反対票を提出、オーストラリアは投票を棄権したことが明らかになった。

 ISOは各国の標準化団体に対し、OOXMLをISO標準として承認するかどうかについて、9月2日までに投票を終えるよう求めていた。AFNORはすべての投票をISOが受理し終えた3日になって、今回の決議に反対票を投じたことを正式に発表した。

 Microsoftは、昨年12月に国際的な標準化団体ECMA(欧州電子計算機工業会)がOOXMLを承認したのを受け、ISOでも早期承認が得られるよう手続きを進めてきた。

 今回の投票では、インドやブラジルも反対票を投じたことがわかっている。また、オーストラリアの標準化団体「Standards Australia」は、メンバーの意見が一致しなかったとして投票を棄権した。

 スウェーデンの標準化団体は、Microsoftの従業員がパートナー企業に対しOOXMLを支持するよう圧力をかけたことが判明したため、賛成票を撤回したという。

 一方、米国規格協会(ANSI)の諮問機関であるINCITS(International Committee for Information Technology Standards)は、条件つきで賛成票に投票した。

 数カ国の政府は、「プロプライエタリなフォーマットの採用は、特定のソフトウェア・ベンダーに電子データのアーカイブを人質に取られるようなもの」との懸念を表明し、オープンな国際標準に準拠した文書フォーマットを採用する方針を示している。

 OOXMLがISOで否決されれば、すでにISO標準として承認されているODF(OpenDocument Format)との標準化レースでOOXMLが不利になることは否めない。さらに、Microsoftの「2007 Office system」よりも、ODF形式で文書を保存する「OpenOffice.org」のほうが、政府機関のオフィス製品として有利になることも予想される。

 ISOによると、9月3日現在開票作業中で、5日までに結果を発表するという。

(ピーター・セイヤー/IDG News Service パリ支局)

国際標準化機構(ISO)
http://www.iso.org/iso/home.htm

提供:Computerworld.jp