Sun、機能を絞ったJREサブセット「Java Kernel」を来年初めにリリース――各種ランタイム機能は随時ダウンロード可能

 米国Sun Microsystemsの担当者は8月24日、Java SE 6 update 4の一部として、JRE(Javaランタイム環境:Java Runtime Environment)のサブセットとなる「Java Kernel」の早期アクセス版を、来年の初めごろにリリースすることを明らかにした。

 Java Kernelは、最低限必要な機能だけに絞ったJREのサブセットと言えるもの。それ以外のランタイム機能については、必要に応じて随時ダウンロードできるとされている。Java Kernelは、Java開発者からフィードバックを得るため、Java SE 6 update 4の一部として早期アクセス版が配布される予定だ。

 Java Kernelの当初の目的は、JavaをFlashプラグインのようなものにして、WebブラウザでのJavaの利用を再活性化することにあり、それゆえ以前は「Java Browser Edition」と呼ばれていた。

 Java Kernelプロジェクトに携わるSunのスタッフ・エンジニア、イーサン・ニコラス氏は、同プロジェクトのねらいについて、JREの肥大化と、ほとんどのプログラムがJREの一部しか必要としていない状況に対応することだと述べている。

 「私が提案したこの『ブラウザ・エディション』は、特定のプログラムに必要な分のJREサブセットだけを提供することを可能にする。また、ほかの機能についても、オンデマンドですべてインストールすることができる。したがって、Java SEと完全に互換性のある環境を利用できることになる」(ニコラス氏)

 ニコラス氏によると、Sunの従業員の間では、このプロジェクトはうまくいかないのではないかという声もあった。その概念の詳細分析が行われた際も、暗い見通しが示されたという。

 「だがブラウザ・エディションは、最終的に『Java Kernel』という名前でJava 7の搭載機能として正式に提案され、開発作業が進んでいる。Java Kernelの考え方は、Java機能の小さな『カーネル』をダウンロードし、それによって他のJava機能を随時ダウンロードできるようにするというものだ」とニコラス氏は説明した。

 Java Kernelプロジェクトについては、好意的なコメントがニコラス氏のブログに寄せられている。

 例えば、ある投稿者は「(Java Kernelによって)ダウンロード・サイズをはじめとするさまざまな問題が解決されるだろう」と記し、JREのモジュール化を歓迎すると述べた。また別の投稿者は、「Javaは単なるブラウザ・ベースの技術ではなく、プラットフォームだ。わたしは、Javaアプレットやアプリケーションを作成する際、ユーザー環境にJavaプラットフォームがインストールされていることを前提にしている」と記している。

(ポール・クリル/InfoWorld オンライン米国版)

米国Sun Microsystems
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提供:Computerworld.jp