Google、「Google News」に動画ニュースを追加――「YouTube」との連携で、動画コンテンツも検索対象に

 米国Googleは8月21日、同社のニュース検索サイト「Google News」で、動画共有サイト「YouTube」のコンテンツを連携させるサービスを開始すると発表した。

 これは同社のニュース・エンジニア・チームに属するルーシー・チャン氏が、同社の公式ブログで明らかにしたもの。チャン氏は、「動画コンテンツも検索対象にすることで、より広範な情報を提供できる」とコメントしている。

 Google Newsは、多数の報道機関が配信している記事のリンク付き見出し、抜粋、写真のサムネイルを集めたニュース検索サイトである。今回追加されたサービスは、YouTubeにアップロードされている動画コンテンツをGoogle Newsの検索対象に追加し、検索結果に反映させるというものだ。

 同社で広報を務めるガブリエル・シュトリッカー氏は、「同サービスは、まだテスト段階だ。当面はYouTubeにコンテンツを提供しているパートナーとともに、限定的なコンテンツのみを検索対象にしてサービスを提供する」と語っている。

 同社によると、最初は米国、英国、アイルランド版のGoogle Newsでサービスを開始するという。なお、コンテンツ・パートナーにはCBS、ロイターなどが名を連ねている。

 Googleでニュース担当プロダクト・マネジャーを務めるネイサン・ストール氏は今年5月、動画ニュース検索について「進出したい分野だ」とし、以下のように語っていた。

 「多数のパブリッシャーが、われわれの動画ニュース検索に関心を持っているのは事実だ。パブリッシャーは、自社の動画コンテンツへのトラフィックが増大することを望んでいる。(動画コンテンツ検索の)ニーズが高まっていることはまちがいない」

 今回のサービスは、Google Newsのページ上で動画コンテンツを再生できる。この表示形式は、従来のGoogle Newsの表示形式とは異なっている。Google Newsでは通常、タイトル、本文の抜粋、サムネイル画像、およびパブリッシャーのページへのリンクが表示されるようになっている。

 ちなみに、ニュース・コンテンツの発行元に無断でコンテンツをインデックス化する行為が著作権侵害に当たると主張するパブリッシャーもいる。例えばフランスの通信社AFP(アジャンス・フランス・プレス)は2005年3月、GoogleがAFPのコンテンツを無断でインデックス化し、Google Newsに掲載しているのは法律違反に当たるとして提訴した(2007年4月に和解)。

 これに対しGoogleは、記事の見出し、抜粋、サムネイルをインデックス化してGoogle Newsに掲載することは著作権侵害に当たらないと、一貫して主張している。

 今回Google Newsで提供される動画コンテンツは、コンテンツの所有者によってYouTubeにアップロードされたものが対象となる。そのため、Google Newsのページ上で動画コンテンツを再生しても、コンテンツ所有者から著作権侵害などで提訴されることはないと見られている。

(ホアン・カルロス・ペレス/IDG News Service マイアミ支局)

米国Google
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提供:Computerworld.jp