Google、クリック詐欺情報サイトを開設――「無効クリック数は10%未満」――独自調査データも公表

 米国Googleは8月16日、クリック詐欺に関する情報サイト「Ad Traffic Quality Resource Center」を開設した。クリック詐欺は、同社の主要な収入源であるクリック課金広告のビジネス・モデルを脅かすおそれがある厄介な問題だ。

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無効クリック数などを公開した「Ad Traffic Quality Resource Center」サイト

 Googleの信頼/安全担当ビジネス・プロダクト・マネジャー、シューマン・ゴーセマジャンダー氏は17日、同サイトを開設した主な目的について、Googleが提供しているクリック詐欺に関する情報を、広告主が1カ所で確認できるようにすることにあると説明した。

 クリック課金広告では、Webページにリンクされた広告のクリック数に応じて広告主が広告料を支払う。こうしたモデルを脅かすクリック詐欺の手口は、企業が競合他社の広告をクリックし、他社の広告料の支払いを増やしたり、Webパブリッシャーが自社サイトの広告をクリックし、広告料収入をかさ上げしたりするというのが一般的だ。

 クリック詐欺が広告クリック数の30%以上を占めるという結果を発表する調査会社も出るなか、Googleはクリック詐欺に関する独自の調査を精力的に進めており、同社の広告ネットワークでの詐欺被害の実態と対抗策を公表することに踏み切った。

 例えば、Googleは同社のネットワーク上のいわゆる無効クリックを監視しているが、その中には、悪意のあるクリックだけでなく、広告を2回クリックするといった悪意のないクリック操作も含まれる。

 Googleはこれらの監視結果を基に、Googleの広告のクリック数のうち、無効なものは10%未満であり、広告主から無効クリックとして苦情が寄せられるものの割合は0.02%にとどまるとするデータを公表した。 

 Googleは無効クリックの実態を明らかにする一方で、クリック詐欺の監視測定サービスを提供する企業との間で論戦を繰り広げており、そうした企業が提供するサービスの方法論の有効性や完全性に対して異議を唱えている。

 ゴーセマジャンダー氏によると、新サイトは、当初は3月に開設される予定だったが、Googleのクリック詐欺担当グループ内での優先順位の変更などに伴って開設が遅れたという。

 例えば、同グループは、Googleの広告主を対象としたクリック詐欺に関するフォーラムの開催を優先させた。このフォーラムは5月にカリフォルニアの本社で開催され、今月には、ニューヨーク支社でも開催する予定だ。

 さらに、ゴーセマジャンダー氏は、Googleは、広告主が特定のIPアドレスをブラック・リストに登録することができるIPフィルタリング・サービスの提供をすでに開始していると語った。

 広告主は、クリック詐欺に使われている疑いのあるアドレスや、まったく販売に結び付かないアドレスなど、任意のアドレスをブラック・リストに追加することができるという。

 なお、Googleは2006年半ばから、広告主に、出稿広告の無効クリック数と全クリック数に占める割合を報告する取り組みを開始しているが、無効クリックと判定して請求を行わなかった金額についても通知するなど、同サービスを充実させる計画だ。ちなみに、この試みも当初は3月に開始が予定されていた。

 クリック詐欺を巡っては、一部の広告主が、GoogleやYahoo!などのクリック課金広告サービスの提供会社に対して訴訟を起こしている。Googleは、クリック詐欺に関する集団訴訟を起こされていたが、昨年、9,000万ドルの支払いで和解した。これは同社にとって大きな勝利だったというのが大方の見方だ。Googleは、敗訴すれば数億ドルの支払いを求められる可能性があったという。

(ホアン・カルロス・ペレス/IDG News Service マイアミ支局)

米国Google
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提供:Computerworld.jp