ITメモ:VMwareが株式を公開

 仮想化ソフトウェアベンダVMwareは、同社のクラスA普通株式3300万株の取引を今週ニューヨーク証券取引所で開始するとの予定を発表した。売出価格は29ドル、取引時のティッカーシンボルは“VMW”となる。

 登録届出書によると、VMwareは株式の公開によって最大1億ドルの資金調達が可能という。業界アナリストの中には、買いが殺到するだろうと予測する者もいれば、VMwareの将来性に不安があるとの理由で警戒を促す者もいる。

 「VMwareは、仮想化(virtualization)という言葉を我がものとし、強く印象付けることにより、実に何年間もマーケティングで大きな成功を収めてきた」と語るのは、Kusnetzky Groupの社長兼主席アナリストのDan Kusnetzky氏だ。「仮想化テクノロジの価値に目をとめていて、(VMwareの)社名を見て投資したがる人々は大勢いる。ただし、皆が詳しいことのすべてを把握しているわけではない」

 主として企業向け仮想化に関係のある名前としてよく知られているVMwareだが、その顧客はきわめて多岐に渡っており、同社の製品はそうした顧客のすべてには的確に対応できていない、とKusnetzky氏は言う。株式公開で調達された資金は必ずしも既存製品の改良に投入されるわけではなく、むしろストレージおよびアクセス関連ソリューションのようなVMwareにない製品を現在提供している企業の買収に利用される可能性がある、と彼は述べる。

 またVMwareは、Xenのような他の企業が無償提供している仮想化ソリューションを有償で提供し続けている。Kusnetzky氏によると、とりわけMicrosoftが再三言われてきた計画どおりにWindows Serverの次期リリース版に仮想化ツールをバンドルすれば、VMwareの有償製品の市場性が変化する可能性があるという。

 「他社が仮想化マネージャを無償でバンドルするようになっても、VMwareは競争力を維持できるだろうか」と彼は問いかける。優れた製品のライバルになるのは「別の優れた製品とは限らない。むしろ、平然と市場に居座る製品や無償でもやっていける製品のほうだ」とKusnetzky氏は語る。

 最終的にVMware製品の価格下落につながり得る要因はいくつか存在する。Kusnetzky氏は、VMwareが株式公開に続いて「革新的な何か」を実行する可能性を認めてはいるものの、同社は少なくとも当面の間はある程度「不安定な立場」に置かれることになるだろう、と述べている。

NewsForge.com 原文