JBoss、ポータル・フレームワーク新版「JBoss Portal 2.6」をリリース――Google Gadgetsの組み込みが可能に

 米国Red Hatの事業部門であるJBossは7月2日、ポータル・サイト構築フレームワーク「JBoss Portal」の新版(バージョン2.6)をリリースした。新版は、パーソナライゼーション機能などの強化を図ったほか、GoogleのWebアプリケーション「Google Gadgets」を新たにサポートしている。

 今回のアップグレードにより、開発者はGoogle Gadgetsコンポーネントをポータル・サイトに組み込めるようになる。Google Gadgetsは、「Google Desktop」など多くのWebアプリケーションと連携できるミニ・アプリケーション集で、カレンダーや気象情報ツール、メディア・プレーヤなどがある。

 新版は、パーソナライゼーションやアイデンティティ(ID)管理、ワークフローといった機能の面でも改良が図られた。JBossでは新版を「JBoss Enterprise Portal Platform」の基礎と位置づけている。

 新版のパーソナライゼーション機能を利用すれば、ポートレットやテーマ、レイアウト、コンテンツなどを特定の目的に合わせて容易にカスタマイズできるという。JBossの製品マネジメント担当ディレクター、ラム・ベンカタラマン氏は、「パーソナライゼーションをより簡単に行えるようになっている」と語った。

 なお、JBoss PortalはJSR(Java Specification Request)168のポートレット仕様に準拠している。ポートレットは、全体的もしくは個別に管理することができる。

 新版は、ワークフロー管理エンジン「JBoss jBPM」も搭載している。これにより、任意に設定したビジネス・プロセスの中でコンテンツ管理承認ワークフローを実行できるようになった。

 さらに、「Red Hat Directory Server」や「OpenDS」、「OpenLDAP」などのサーバをサポートしており、あらかじめLDAPを利用できる状態になっている。加えて、「Ajax4jsf」および「RichFaces」開発フレームワークも搭載している。

 そのほか、間接的クローン作成機能が追加されるとともに、Web Services for Remote Portlets仕様のサポートも拡張された。このクローン機能を使えば、ポートレットの1つのインスタンスを別のコンフィギュレーション上に配置し、再利用することができる。

 JBoss Portal 2.6の利用に際しては、Java対応アプリケーション・サーバ「JBoss Application Server」を導入していることが条件となる。ただしベンカタラマン氏によると、今後のリリースで、JBoss Portalを他のアプリケーション・サーバと連携させる可能性もあるという。

 JBoss Portal 2.6はJBoss.orgサイトから無料でダウンロードできる。適用されるオープンソース・ライセンスはLGPL(Lesser GNU General Public License)である。

(ポール・クリル/InfoWorld オンライン米国版)

JBoss.orgサイト
http://labs.jboss.com/

提供:Computerworld.jp