JBoss、ビジネス・ルール・エンジンの新版「JBoss Rules 4.0」をリリース――既存版よりも40%のスピードアップを実現

 米国Red Hatの事業部門であるJBossは7月16日、ビジネス・ルール・エンジンの新版「JBoss Rules 4.0」をリリースした。

 JBoss Rulesは、ビジネス・ルールの定義やその管理などを行うJavaのソフトウェアである。新版では、ルール処理速度が大幅に向上しており、今まで数十秒かかっていた処理も数秒で完了するという。

 同社でテクニカル製品マネジャーを務めるブール・スッター氏は、JBoss Rules 4.0の高速化は、ルール変更を常時想定せずに処理を進める「シーケンシャリティ(sequentiality)」方式の採用が理由だと説明する。同氏によると、JBoss Rules 4.0は既存版と比較し、処理速度が約40%も向上しているという。

 JBoss Rules 4.0は、Ajax(Asynchronous JavaScript and XML)対応のWebコンソールが搭載されており、プログラマー以外のユーザーも利用しやすくなっているのが特徴だ。また、MVEL(MVFLEX Expression Language)のサポートも追加されているほか、ルール設定機能の拡充も図られている。

 さらにJBoss Rules 4.0には、ガイド付きのルール・エディタも新たに搭載された。スッター氏によると、同機能により、ユーザーがリスト・ボックスからビジネス・ルールをポイント&クリックし、宣言できるようになったという。

 JBoss Rules 4.0は、SOA(サービス指向アーキテクチャ)に対応したメッセージング・ミドルウェア「JBoss ESB(Enterprise Service Bus)」との連携により、請求書などの内容を検分したり、メッセージの宛先を決定したりすることができる。JBoss RulesがJBoss ESBとともに“交通整理”役を担う一方で、JBoss ESBはメッセージ・フローを処理すると、スッター氏は説明した。JBossは、JBoss ESB向けの「ルール・サービス」を提供している。

 なお、JBoss Rules 4.0は、O/R(オブジェクト/リレーショナル)マッピング・フレームワーク「JBoss Hibernate」にも対応している。これにより、例えば、リレーショナル・データベースから直接顧客の氏名を抽出して、ビジネス・ルールを作るといったことが可能になっている。

(ポール・クリル/InfoWorld オンライン米国版)

JBoss.orgサイト http://labs.jboss.com/

提供:Computerworld.jp