Intel、Penrynの概要と最新ロードマップを発表――Penrynで採用される45nmプロセスが来年に躍進するとの予測も
Penrynは、線幅45nmまで微細化したプロセスで製造されるエンタープライズ向けプロセッサである。業界では初となるハフニウム系High-k(高誘電材料)およびメタル・ゲート絶縁膜が採用されている点も大きな特徴である。
同社の説明によると、従来の65nmプロセスと比較すると、Penrynではトランジスタの集積度が約2倍となり、トランジスタ・スイッチングに関しては速度が20%以上、電力効率は約30%もアップしているという。これらにより、性能の向上と新機能の追加が可能になるとしている。
同社は、今年から市場投入する45nmプロセスが今後躍進し、来年の第3四半期には、CPU出荷率で65nmプロセスの製品を追い抜くという予測をたてている。こうした状況を見据え、45nmプロセスに対応した同社の工場はすでに4つ存在するといい、引き続き同分野への投資を続けるという。2007年度以降もエンタープライズ分野をリードすべく、先進的な製品を投入していく構えだ。
そのほかのエンタープライズ向けプラットフォームとして、第2世代の「vPro」プロセッサ・プラットフォームである「Weybridge」や、サーバ向けハイエンド・マルチプロセッサ・プラットフォーム「Caneland」などが、2007年半ばから後半にかけて同社から発表される予定である。
Weybridge には、仮想環境下にあるPCなどのハードウェア上において確実なセキュリティを確保する「トラステッド・エグゼキューション・テクノロジー」(TXT)が備わるという。同社は、今後の製品開発での重要テーマとしてセキュリティを掲げており、ハードウェア・レベルで提供可能なセキュリティ機能の有用性をアピールした。
次にItaniumの最新動向として、Itaniumプロセッサ・ファミリーに追加される「Montvale」(2007年後半に発表)や、次世代プラットフォーム「Tukwila」、「Poulson」などが紹介された。
Tukwila は、クアッドコアとなることで、デュアルコアのItanium 2に比べて最大で2倍の性能を獲得できるという。性能の面以外にも、メモリ上での障害を修復する新技術となるDDDC(Double Device Data Correction)などが実装される。DDDCによって、従来では不可能だった、2つのDRAM素子が故障した場合での修復が可能になるという。
また、その次のモデルとなるPoulsonでは、32nmプロセスが使われ、マルチスレッディングの拡張や命令実行の効率化などにより、高次元の並列処理が実現されるとしている。会見では、そのさらに後継となる「Kittson」というプラットフォームがすでに考えられていることも明らかにされた。
同社は、海外および日本市場でItaniumが躍進している状況を紹介し、さらに機能性と安定性を追求した製品を投入していくとした。
Xeonの最新動向について同社は、45nmプロセスを採用したクアッドコア・プロセッサ「Harpertown」(開発コード名)を2007年度の第4四半期に投入することを発表した。同製品では、Javaのワークロードで、65nmのCore 2プロセッサに対して25%のパフォーマンスの向上を実現するという。
また同社は、ハイエンド向けとしては初のクアッドコア製品となる「Tigerton」(開発コード名)を2007年の第3四半期に投入することも発表した。クアッドコア化により、性能および電力効率が大きく向上したうえに、消費電力量に合わせて130W、80W、50Wの3モデルから選択できるようになっており、さらなる電力効率の向上を実現できるとしている。
Xeonについては、2006年度にデュアルコア化、そしてクアッドコア化が進められたことで、大幅な性能アップと電力効率の向上が実現している点が強調された。
会見ではまた、ハイパフォーマンス・コンピューティング・システムの導入をサポートする2つのプログラム「クラスター・レディ」と「コネクツ・ケーブルズ」の発表も行われた。
クラスター・レディは、市販されているさまざまなハードウェアやアプリケーションで大規模なクラスタを構成する際に、各ハードウェアとアプリケーションが確実に互換性を持つような「標準規格」を提供するものである。一方、コネクツ・ケーブルズは、インフィニバンドもしくは10ギガビット・イーサネットを導入しているユーザーに対して、最大20Gビット/秒の転送速度を提供し、システム内にあるサーバとサーバの距離を最大100mまで延長することを可能にするという。
(高山哲司/Computerworld)
Intel
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