Intel、業界初のMPサーバ向けクアッドコアXeonプロセッサを発表――性能、電力効率に加え仮想化機能も強化。次世代製品では新たな仮想化機能を実装
発表された新Xeonプロセッサは全部で6製品。動作周波数が2.93GHz、消費電力が130Wの製品や、4ソケットのブレード・サーバ、高密度のラック・マウント型サーバ向けに最適化された動作周波数が1.86GHz、消費電力が50Wの製品などである。性能および低消費電力化が図られたことに加えて、仮想化機能が強化された点もポイントである。
仮想化機能の強化では、各種Xeonプロセッサを搭載した1ウェイから4ウェイ以上のサーバを1つのリソース・プールとして構築できるようにし、仮想化に対する柔軟性を向上させている。リソース・プール上では、仮想マシンを無停止で移動できるライブ・マイグレーションが行える。また、2007年後半にリリースされる45nmプロセスを採用した新CPU「Penryn」(開発コード名)では、新しい仮想化機能「VT FlexMigration」を実装することで、現行サーバで構築したリソース・プールに、Penrynで構築したリソースを追加できるようになるという。
発表会では、新しいXeonプロセッサを搭載したMPサーバ向けプラットフォームについても、詳しい説明が行われた。新プラットフォームでは、データ・トラフィックを最適化するために4つの機能強化を図っている。
(1)独立した高速インターコネクトの採用
チップセットとプロセッサを結ぶ高速インターコネクトをプロセッサごとに独立して設けることで、チップ間の高速通信を実現している。さらに、フロントサイド・バスを1066MHzにし、帯域幅も拡張している。
(2)64MBのスヌープ・フィルタ・キャッシュを実装
64MBのスヌープ・フィルタ・キャッシュにより、プロセッサ間の不要なキャッシュ・データの通信を削減している。64MBという容量も新プラットフォームに最適化されたものだという。
(3)FB-DIMMメモリのサポート数を倍増
FB-DIMMメモリのサポート数を最大32本に拡張している。これまでIntelのプラットフォームでは、FB-DIMMメモリのサポート数は最大16本までであった。これを倍増させることで、最大128GBのFB-DIMMメモリを搭載可能にしている。
(4)「I/Oアクセラレーション・テクノロジー2」を採用
これまでのプラットフォームでは、キャッシュにデータをコピーするには、I/Oとメモリーを経由する必要があった。しかし、新プラットフォームでは、メモリーを経由せずにI/Oから直接キャッシュにアクセスし、データをコピーできるようになっている。これにより、レイテンシーの削減に成功している。
発表会に際し、登壇したIntel日本法人の代表取締役共同社長である吉田和正氏は、「エンタープライズでは(製品の)大きな変更よりも、むしろ高い品質と安定供給が求められる。それを崩さずに既存資産を生かしてイノベーションを進めていくことが重要だ」と語り、次世代の45nmプロセスへ移行しても7300番台はソケット互換を維持し、既存資産が生かせる点を強調した。
(山上朝之/Computerworld)
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