Microsoft、家庭内ネットワーク向けサーバ「Windows Home Server」のRC版を公開──一般向けサーバ・アプライアンスなどに搭載

 米国Microsoftは6月12日、家庭内ネットワーク向けサーバOS「Windows Home Server」のRC(Release Candidate)1を公開した。RC1はリリース候補版に当たり、正式版は今年後半になる見込みだ。

 Windows Home Server RC1は2つの方法で入手できる。開発者であれば、同OS向けのアプリケーションやアドオンの開発を促すためにMicrosoftが企画した「Windows Home Server Code2Fame Challenge」コンテストに参加するという手がある。ちなみに、コンテストの勝者には最高で5万ドル相当の賞金および賞品が与えられる。

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Microsoftが描く家庭内ネットワークの一例。Windows Home Serverは、同社が提唱している「コネクテッド・ホーム」構想の一翼を担う

 一方、単に新OSを試してみたいというユーザーは、アンケート調査に協力することで、RC1をダウンロードできるようになる。

 Microsoftは、「Quattro」の開発コード名で呼んでいたWindows Home Serverを、今年1月にラスベガスで開催された家電見本市「Consumer Electronics Show」で発表した。同OSは、家庭内ネットワークの管理を担うサーバで、ネットワーク上のファイルを安全に保つと同時に、Windows PCユーザーがマルチメディアやその他のファイルを共有したり、保存したりするのを可能にする。

 Windows Home Serverは、当面はコンシューマー向けのアプライアンス製品に組み込まれた形で提供されることになるが、Microsoftでは単独製品として販売することも検討している。

 同OSの採用を真っ先に決めたのは米国HPだ。同社は一般家庭向けのサーバ・アプライアンス「MediaSmart Servers」にWindows Home Serverを搭載し、年末までにリリースするという。また、米国Gatewayや、フランスの外部ストレージ・メーカーであるLaCie Group、 Windows Home Server対応ハードウェアを開発しているドイツの家電製造会社メディオンなども名乗りを上げている。

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HPが今年末にリリースを予定している「MediaSmart Servers」

 同OSに高い関心を示すWindowsユーザーは少なくない。 Windows XPを利用しているマット・ビラーノ氏もその1人だ。同氏は、サンフランシスコにある新居への引っ越しと同時に、Windows Home Serverを用いて家庭内ネットワークを立ち上げようと考えている。

 自宅で仕事をしているビラーノ氏は、家庭内ネットワークを構築することで、自宅のIT環境が抱えるさまざまな制約を解消したいと語る。「今の環境で印刷をしようと思ったら、マシンをシャットダウンして自分のワークステーションを切り離し、妻のワークステーションに接続してから再起動するという作業が必要だ。家庭内ネットワークを構築すれば、こんな手間はかからなくなる」

 日常的な作業だけでなく、マルチメディア・ファイルの管理にもWindows Home Serverを使いたいとビラーノ氏は話す。もちろん、購入を決定する前に詳細をよく調べ、Windows Home Serverを正しく評価するつもりだと、同氏は付け加えた。

(エリザベス・モンタルバノ/IDG News Service ニューヨーク支局)

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