軽量級ゲームPONG! MultiplayerとLost Labyrinthのタッグで過ごす優雅なコーヒーブレイク

 シンプルな構成の軽量級ゲームであってもHalo 3やGears of Warのような重量級ゲームに負けず劣らず楽しむことができるものであり、中毒性の面においても引けを取らないレベルのものが各種存在している。Pongというシンプル極まりないゲームが今日でも愛用され続け、同系統のゲームが新規に開発され続けているのも、その辺に理由があるのかもしれない。現存するPong系ゲームは百種類以上に達していると思うが、ハードコアなPongのファンと興味半分の初心者プレーヤの双方に受け入れられる一品としては、PONG! Multiplayerを推薦しておいて間違いないだろう。それと言うのもこのゲームはFirefox機能拡張の形式で提供されており、日頃常用しているWebブラウザ上でそのままプレイすることができるからだ。

 このゲームの場合、機能拡張という形式だけあって派手なグラフィックスや効果音は付けられておらず、ゲーム自体も2つのパッドとボールだけで遊ぶという非常に地味な構成となっている。ゲームの難易度はNormalレベルからSuper Insaneレベルに分けられており、勝利条件とするポイント数はユーザ指定が可能だ。

 Pongの対戦相手としては、同一マシン上で他のユーザと試合するか、コンピュータを相手にプレイすることもできるが、この機能拡張ゲームの場合はインターネットないしローカルネット上に存在する他のPongユーザを相手に対戦することもできる。インターネット対戦をする場合は、PONG! Multiplayerを起動してからMキーを押せばいい。これによりGame Lobbyが開かれて対戦可能なユーザが一覧される。またPongのチャットウィンドウでは、ゲームの対戦だけではなく、通常のチャットも楽しめるようになっている。

 ローカルネット上のユーザと対戦する場合は、Sキーを押して設定ウィンドウを表示させ、GeneralタブにあるPlay on LANチェックボックスをオンにする。その後Connections 1および2で使用するポートを指定すればいい(あるいはデフォルト設定のままとする)。以上の設定に問題がなければ、Mキーを押すとLAN内のユーザが表示されるはずだ。

 PONG! Multiplayerをデフォルト設定で実行すると、開発者の運営する“オフィシャル”サーバに接続される。このサーバに関しては、ユーザ各自で専用サーバを設定することも簡単に行え、それにはPONG! Multiplayer Server(以下、PMサーバ)をダウンロードして実行すればいい。このPMサーバはWindows用アプリケーションなのだが、Linux上でもWineを介することで拍子抜けするほどすんなりと動いてくれる。既にWineがインストールされたマシンを使っているのであれば、ダウンロードしたPongMPServer.exeファイルを各自のホームディレクトリに移動させてからwine PongMPServer.exeとコマンドを送信すればいい。その後Firefox上でPONG! Multiplayer機能拡張を実行してSキーを押すと、Settingsウィンドウが表示されるはずである。次にGeneralタブに移動し、PMサーバのIPアドレスをMultiplayerサーバのホスト名フィールドに入力すれば、必要な設定はすべて完了する。

 ところで本筋とは関係ないが、Pongゲームのトリビアに興味がある方には、PONG-StoryというWebサイトを一読してみることをお勧めしたい。

Lost Labyrinth――卓球に飽きたらダンジョンの暗闇を徘徊しよう

 PONG! Multiplayerみたいな単純なゲームに興味はないというユーザもおられるであろうから、Lost Labyrinthというターンベースで進行するRogueタイプのダンジョン探検型ゲームも紹介しておこう。Lost Labyrinthの場合、単一ユーザで遊ぶことも、同一マシン上で最大4名のユーザとプレイすることもできる(こちらのゲームはネットワークプレイには対応していない)。

Lost Labyrinth
Lost Labyrinth(クリックで拡大)
 ゲームを開始するに当たっては、プレーヤとなるキャラクタとそのスキルを選択しておく。その後はダンジョンの中を探検して、命を落とすことなく次のレベルに到達すればいい。とは言うものの、次のレベルに進むにはダンジョン中に隠された扉を探し出す必要があり、そこまでの道のりには様々なモンスターが立ちはだかっている。またダンジョン中にはコインが落ちており、後々出会う商人から各種のアイテムを購入するには、これらを拾い集めておかなければならない。またこのゲームの場合、定期的に飲み物や食物を与えないと、脱水症状や栄養不足でゲームキャラクタが死んでしまうので注意が必要だ。

 モンスターとの戦闘で攻撃を受けると、キャラクタは負傷するようになっている。ダメージを負ったキャラクタを生かし続けるには、ハーブやSanctumsと呼ばれるアイテムを用意しなければならない。キャラクタの治療は、各種の回復の呪文を唱えるシステムになっている。残念ながら、これらの呪文をどう使えばいいのかは若干分かりにくくなっているので、この件の詳細については添付されているReadme.txtファイルに目を通して頂きたい。

 ゲームそのものの操作法に関しては、特に難しい点はない。ダンジョン内の移動は矢印キーで操作でき、スペースキーを押せば落ちているアイテムを拾い上げることができる。画面右側のペインには、キャラクタの生命レベル、飢えや喉の渇き具合、残りの移動数などの情報が表示される。そしてIキーを押すとInventory画面に切り換えることができ、この画面ではキャラクタに装備させる武器の選択および、水や食料の摂取、呪文の管理などが行える。例えばゲーム中にキャラクタが喉の渇きを訴えだしたら(メインウィンドウでThirstyメッセージが表示される)、すかさずInventory画面に切り換え、Waterアイコンを選択してDrinkコマンドをクリックすればいい。このゲームの場合、数分もあれば基本的な操作手順は理解できるはずだが、細かいルールを調べ上げたければLost LabyrinthのFAQページが参考になるだろう(FAQのテキスト版はゲームにも同梱されている)。

 PONG! MultiplayerにしろLost Labyrinthにしろ、ハードコアなゲームマニアの食指を動かすようなゲームではないだろうが、ちょっとした休憩用の気晴らしゲームとしての価値は十二分に備えているはずだ。

Dmitri Popovは、フリーランスのライターとして、ロシア、イギリス、アメリカ、ドイツ、デンマークのコンピュータ雑誌に寄稿している。

NewsForge.com 原文