Dell、仮想化と省電力化を中核とする「Project Hybrid」戦略を発表――包括的ソリューション・ベンダーへの脱却を目指す

 米国Dellは5月17日、ハードウェア、ソフトウェア、サービスを企業顧客のニーズに合わせて総合的に提供する新戦略、「Project Hybrid」を発表した。

 同戦略は、肥大化するデータ容量の効率的な管理や、複雑化したITシステムの簡素化など、企業が直面する課題に対して、ハードウェア、ソフトウェア、サービスを組み合わせ、包括的なソリューションとして提供するプログラムである。同社によると、同戦略の中核となるのは、仮想化技術と省電力化技術だという。

 今回の発表では、仮想化技術と省電力化技術の具体的な活用方法は明らかにされなかったものの、同社では今年下半期から同プログラムの提供を開始する予定だとしている。

 Dellは同戦略を打ち出すことで、単なるハードウェア・ベンダーから総合的なソリューション・ベンダーへの脱却を図っているようだ。

 近年同社は苦戦続きである。2006年には3年近く守り続けてきたPC出荷台数1位の座をHPに奪われており、企業向けのサーバ出荷台数でもHPの後塵を拝している。

 同社のPowerEdgeサーバ製品担当ディレクター、ジェイ・パーカー氏は今回の戦略について、すでにライバルのIBMとHPが同様のソリューションを提供していることを認めたうえで、「IBMとHPの戦略はあくまでもサービスを中核としたものだ。それだと顧客は、サービスの提供を受けるために両社に依存しなければならず、結果的に顧客にとっては高コストとなる可能性がある」と語り、Dellの戦略は両社と異なることを強調した。

 「顧客が求めているのは、作業の効率化とコストの削減にほかならない。新しいデータセンターを建設する金銭的余裕は企業にはない。彼らが求めているのは、データセンターと同じ役割を果たす“濃縮された”ソリューションだ。われわれはそれらを提供できると確信している」(パーカー氏)

 また同社は、今年下半期に発表する新型ブレード・サーバのプロトタイプも公開した。パーカー氏は、同サーバが競合製品よりもエネルギー効率が優れていると強調したが、製品仕様の詳細は明らかにしなかった。なお同サーバは、Project Hybrid戦略の中核を担う製品と予想される。

 ちなみにパーカー氏は、Project Hybridという名称について、「エネルギー効率の良いハイブリッド・カーの人気に乗じたものではない」とコメントした。

 テクノロジー調査会社の米国パンドITで首席アナリストを務めるチャールズ・キング氏は、「ハードウェアとソフトウェアとサービスの組み合わせを企業顧客に販売するアイデアは目新しいものではない」と指摘しながらも、今回のDell戦略を以下のように評価した。

 「Dellは、自分たちが置かれている厳しい現状を理解している。今回の新戦略は、顧客ニーズを満たすソリューションを提供するため、積極的に技術開発を行っていることを示すものだ」(キング氏)

(ロバート・マリンズ/IDG News Service サンフランシスコ支局、エフライム・シュワルツ/InfoWorld オンライン米国版)

米国Dell
http://www.dell.com/

提供:Computerworld.jp