使って便利なOpenOffice.org用の機能拡張

 Firefoxと同様、OpenOffice.orgについても機能拡張をインストールすることで様々な機能を追加することができる。そこで本稿では、特に有用な機能拡張をいくつか紹介することにする。

 Annotation Toolは、OpenOffice.orgのメモ機能に関する不満を解消してくれる機能拡張だ。ここで言う不満とは、強調表示させたテキストにメモを付けられないことおよび、ドキュメント上のメモを一括削除できないという点である。いずれの問題も、Annotation Toolをインストールすることで解決できる。

 OpenOffice.orgがネイティブにサポートするグラフィックフォーマットの中にSVG形式の画像は含まれていないが、多数の優れたベクトル系画像がOpen Clip Art Libraryに登録されている点を考えると、これは非常に残念である。SVG Import Filterは、その名称が示すとおりSVGフォーマットを追加サポートするためのフィルタであり、これをインストールすることでOpenOffice.orgからベクトル系画像を直接開けるようになる。ただし開発元の説明によると、単純なSVGファイルに関してはほぼ完璧な処理が行えるのだが、カラーおよび透過グラデーションについては若干の問題が残されているとのことだ。また実際にSVG Import Filterをダウンロードする場合は、svg2officeというバッチ処理用ユーティリティもチェックしてみるべきだろう。これは各種のSVGファイルをOpenOffice.orgネイティブのグラフィックフォーマット(odg)に変換するためのツールである。

 OxygenOffice Professionalは、オリジナルのOpenOffice.orgに対して各種の機能を独自に追加した改変版スイートである。ただしOxygenOfficeは1つのオフィススイートとしてダウンロードされるが、個々のコンポーネント(クリップアートとテンプレート)は独立した機能拡張として使用できるようになっている。こうした仕様は、既に手元にあるOpenOffice.orgに特定のテンプレートのみを追加するという使い方ができて便利だ。

 Tabbed Windows機能拡張は、Firefoxのタブブラウジングと同様の機能を追加するためのもので、複数のOpenOffice.orgドキュメントを同時に扱いたい場合に重宝する。ただし現行版は開発ステージの初期段階にあり、多少の不安定さと制限が残されている。例えばタブの名称はいずれも「my window」プラス番号という形式で表示されるが、ユーザがこれを変更することはできない。その他、タブの順番を変えることも不可能である。

 次に紹介するOOo.HGは純粋な機能拡張ではなく、OpenOffice.orgのGalleryファイルに登録可能な膨大な数の地図およびマップ要素のコレクションである。OOo.HGを追加することで、OpenOffice.orgは強力なマップ編集ツールとしての使用が可能となる。OOo.HGは主として以下の3つのライブラリで構成されている。CART’OOはマップおよび地理情報を高速描画するためのライブラリであり、この中にはマップ作成、凡例表示、地図描画などに必要な207個のベクトル系画像、13のテーマに分けられた歴史地図、153個の「地理オブジェクト」が収められている。CHRON’OOoは、与えられたオブジェクトを基に時系列的なタイムラインを作成するためのライブラリである。ATLAS’OOoは、ビットマップ形式のマップ作成に用いる226個の地図情報および187個の歴史地図を収めたライブラリである。

 その他の機能拡張については、OpenOffice.org wikiのExtensions Repositoryに紹介されている。

Dmitri Popovは、フリーランスのライターとして、ロシア、イギリス、アメリカ、ドイツ、デンマークのコンピュータ雑誌に寄稿している。

NewsForge.com 原文