Intel、ItaniumプロセッサのJava対応計画を明らかに――同チップのJVM対応は2008年を予定
この計画は、サンフランシスコで開催されている「2007 JavaOne Conference」(5月8日-11日)の基調講演の中で発表された。
計画を進めるためには、Itaniumで動作するJVM(Java仮想マシン)を用意する必要がある。だが、Sunの社長兼CEOであるジョナサン・シュワルツ氏が過去にItaniumを酷評した経緯から、Sunが方針転換を図らないかぎりItaniumベースのJavaプラットフォームが開発される可能性は乏しい。
しかし、Intelのコーポレート・バイスプレジデント兼ゼネラル・マネジャー、レネ・ジェームズ氏は、9日に行われたインタビューで、Sunとの協業に自信をのぞかせた。
「われわれの関係からして、IntelにとってItaniumが重要な存在であることをSunは理解していると考えている。Itaniumを好ましく思う思わないは彼らの自由だ」(ジェームズ氏)
SunとIntelは今年1月に戦略的提携を結び、Intelチップ搭載のSolarisサーバ開発で協力することに合意したが、Sunが出荷を予定しているのは今のところXeonベースのシステムだけだ。64ビット・アーキテクチャのItaniumについては白紙のままである。
Sunのソフトウェア・グループ担当CTO、ボブ・ブレウィン氏は、「提携を視野にIntelと何度か話し合いを持った結果、Xeonをサポートすることを決断した。今後もこの方向に沿っていくつもりだ」と述べ、Itaniumに関しては今もIntelと交渉中だと明かした。
Intelのジェームズ氏によると、ItaniumのJVM対応化は2008年の予定だ。同氏は、BEA SystemsはすでにItanium上でJavaを動作させていると付け加えた。
ジェームズ氏はさらに、Intelチップ上でのJavaのパフォーマンスを強化する現行の取り組みについても、称賛する発言をしている。「(Sunとの)協業を開始して以来、数カ月間でJavaのパフォーマンスを20%近く向上させた」(同氏)
Intelのシステム・ソフトウェア部門バイスプレジデント兼ゼネラル・マネジャー、ダグ・フィッシャー氏によれば、SunおよびIntelのスタッフは、Intel独自の命令セットを活用してJavaの最適化を図っているという。こうした取り組みにより、Intelのマルチコア・プロセッサにおけるJavaの動作も強化されつつある。
フィッシャー氏は、「メモリ・バス構造やレジスタといった基礎的なIntelアーキテクチャを利用できるように、JVMに修正を加えている」と説明した。
Intelのシステムに適応するようJVMに加えられた改良点は、オープンソース・コミュニティを通じてJavaプラットフォームに反映される見込みだ。
フィッシャー氏らは、x86版Solarisに関しても、IntelとSunが力を合わせてパフォーマンスを向上させてきたと強調する。またIntelは、SolarisをIntelの仮想化技術に対応させることも検討しているという。
(ポール・クリル/InfoWorld オンライン米国版)
米国Intel
http://www.intel.com/
米国Sun Microsystems
http://www.sun.com/
提供:Computerworld.jp