Red Hat、データ統合技術企業のMetaMatrixを買収――統合型の新しいサブスクリプション・モデルも導入

 米国Red Hatは4月24日、データ統合技術の新興企業である米国MetaMatrixを買収すると発表した。買収の金銭的条件については明らかにしていない。

 またRed Hatは、オープンソース・ミドルウェアとSOA(サービス指向アーキテクチャ)の推進に向けた新戦略も発表した。それによると、同社は統合型の新しいサブスクリプション・モデルを導入し、「JBoss Enterprise Application Server」(アプリケーション・サーバ)、「Hibernate」(O/Rマッピング・フレームワーク)、および「JBoss Seam」(Java EE 5対応のアプリケーション・フレームワーク)を1回のダウンロードで取得できるようにするという。

 こうした取り組みは、データ・ソースと密接に結び付いたレガシー・アプリケーションをSOA環境に移行する企業を支援することがねらいだ。SOAへの移行により、企業は各種のレガシー・アプリケーションからデータを抽出し、柔軟性のある新しいシステムやビジネス・プロセスで再利用できる。

 Red Hatのエンタープライズ・ソリューション担当シニア・バイスプレジデント、ティム・イートン氏は、オープンソースの価値はミドルウェアやSOAレイヤにおいて最大限に高まるとしたうえで、同レイヤへのレガシー・アプリケーションの移行を同社が強力にサポートしていることを強調する。

 「われわれは、テストから、導入、製品サポート、保守に至る開発サイクル全般に顧客が関与できるような機能を準備している。それにより、顧客は再びみずからのITアーキテクチャを自身で管理できるようになるだろう」(イートン氏)

 MetaMatrixの買収により、JBossユーザーは今後、データ・ソースとアプリケーションの疎結合を可能にするフェデレーテッド・データ・サービス・レイヤを導入できると、イートン氏は語る。フェデレーテッド・データ・サービスはその後、アプリケーション開発、ワークフロー、ビジネス・プロセスのモデリングなどで何度も再利用できる。

 新しいサブスクリプション・モデルは、JBossなどのオープンソース・ソフトウェアが、従来のようにコンポーネントを個々に選択するアラカルト方式から移行しつつあることを示している。新サブスクリプション・モデルの適用対象には、MetaMatrixのデータ管理/統合ツールも含まれる。オープンソース化されたMetaMatrix製品は、1年以内に提供が開始される見込みだ。

 この新サブスクリプション・モデルの下では、Red Hat製品は1回のダウンロードで入手できるようになる。その際、ダウンロード・ファイルの中には、自動アップデートやパッチ・ファイルのほか、複数年のサービス・レベル契約などが含まれるという。

 さらにRed Hatは、開発プロジェクトを支援するための新しいサポート・プログラムも発表した。これらのプログラムでは、開発からリリースまで一貫して開発者を支援する保証付きサービス・レベル契約が提供される。

(ヘザー・ヘイブンステイン/Computerworld オンライン米国版)

米国Red Hat
http://www.redhat.com/
米国MetaMatrix
http://www.metamatrix.com/

提供:Computerworld.jp