Dell、Linux搭載PCの販売をついに決断――ユーザーの強い要望が後押し
先月同社のCEOに復帰したマイケル・デル氏は、顧客サービスを改善するための施策を矢継ぎ早に打ち出している。
同社は昨年末から不正会計を巡る株主提訴や、ノートPCバッテリのリコール、さらには下半期(7月-12月期)の世界PC出荷台数でHP(HP)にトップの座を奪われるなど、苦境に立たされていた。
今回のLinux OS搭載PCの発売も、顧客サービス改善の一環として行われている。同社ではLinux OS搭載PCの発売で、業績が回復することを期待しているようだ。
Dellによると、ユーザーからの要望やアイデアを書き込める同社のブログ「Dell IdeaStorm」には、Windowsに替えてLinuxを搭載したPCの販売を求める要望が殺到したという。
同社はこの要望を受け入れ、Linux OSを搭載したPCの販売を決断したと発表した。
Dell IdeaStormに書き込まれた同社のコメントによると、Linux OS搭載PCの発売は、すでに同社が法人向けに販売しているLinux搭載サーバや、Linux OSの選択も可能なハイエンドPC「Precision Workstation」向けに提供しているLinuxのサポートを、一般PCに拡大する戦略に基づくものであり、その第1弾として一部のデスクトップPCとノートPCにLinux OSをプリインストールして発売するという。
なお、搭載されるハードディスクモデルやスペックの詳細、Linuxディストリビューションの種類などは来週以降に発表される予定だ。
3月28日に公表されたLinux OS搭載PCに関するユーザー・アンケートの結果では、Linux OS搭載PCの発売を希望するユーザーの70%以上が、Linux OS搭載PCを自宅と会社の両方で利用したいと回答。デスクトップPC/ノートPCどちらも選択可能にしてほしいという希望が大半を占めたという。
さらに、ユーザーの多くは、Linux OS搭載PCのサポート・サービスについて、Linuxのサポートは現存のコミュニティを中心としたサポート・フォーラムで十分だとしており、ソフトウェアのサポートよりもハードウェアのサポートのほうを重要視していることが明らかになった。
Dellによると、ユーザーはどのLinuxディストリビューションを選択するかよりも、各種ドライバの対応やLinuxのカーネル・サポートのほうに高い関心を持っているという。
(エリザベス・モンタルバノ/IDG News Service ニューヨーク支局)
米国Dell
http://www.dell.com/
提供:Computerworld.jp