Novell、自社イベントでMicrosoftとの提携の成果を披露――仮想マシンの相互稼働、ディレクトリ連携、OpenXML対応をアピール

 米国Novellは、同社主催のユーザー・コンファレンス「BrainShare」(3月18~23日)に初めてMicrosoftを招待し、昨年11月に結ばれた両社の提携が製品間の相互運用性などにもたらした成果を披露した。

 NovellのCEO兼社長ロン・ホブセピアン氏は、「当社は、LinuxとWindowsの混成スタック・ソースの開発に注力している。Microsoftと提携した理由はただ1つ、顧客のためだ。顧客を相互運用が可能な世界に導くことがわれわれの使命である」と強調した。

 ホブセピアン氏は、およそ5,000人の来場者を前に、提携の範囲や製品間の相互運用性に関するNovellの新たな取り組みの要点を説明した。

 「(Microsoftが)J2EE環境に足を踏み入れるのを絶対に許さないという立場は捨て、J2EE環境で利用できるように協力することが重要だ」(同氏)

 ホブセピアン氏は、Microsoftの最高研究/戦略責任者クレイグ・マンディ氏をステージに招いて意見交換を行った。マンディ氏とNovellのホブセピアン氏は、両社の提携に向けた交渉に携わった。情報筋によると、両社は、昨年春から提携についての検討作業を開始したという。

 今回のコンファレンスでは、Novellのエグゼクティブ・バイスプレジデント兼CTO、ジェフ・ジャフェ氏もステージに上がり、「いずれWindowsとLinuxという2つのOSが並び立つことになる」と強調した。

 Microsoftのマンディ氏も、「われわれは現在、2つのプラットフォームが併存する発展途上の段階にいる。顧客からは、相互運用性の問題を解決するよう求める声が多く寄せられている」と述べた。

 NovellとMicrosoftは、3月19日の基調講演の中で、両社の提携の最初の成果として、仮想マシンとしてWindowsが稼働するSUSE Linux、仮想マシンとしてWindowとSUSE Linuxが稼働するLonghornを披露した。また両社は、WindowsとSUSE Linuxの間でファイルをやり取りして見せ、SUSE LinuxとActive Directoryとの相互運用性をアピールした。

 さらにNovellは、MicrosoftのOpenXML文書をOpenOffice形式で保存することができるOpenXML変換機能のデモを行ったほか、 SUSE Linuxカーネル上で仮想マシンとしてNetWareを稼働させることができるネットワークOSの新バージョン「Open Enterprise Server(OES) 2」の公開ベータ版も発表した。

 OES 2は、Domain Services for Windowsも稼働させることが可能で、ダイナミック・ストレージ技術や64ビット・アプリケーションのサポートも盛り込まれている。さらに、 NetWareサービスをLinuxプラットフォームに移行させる機能も備えている。

 Novellはこのほかに、オープンソース・チーム構成/コラボレーション機能をサポートするNovell TeamingとTeaming Plus Conferenceを追加するなどの機能強化を図った「GroupWise」をはじめ、「Identity Manager 3.5」「Sentinel Version 6」「SUSE Linux Enterprise 10 Service Pack1」「SUSE Linux Enterprise Thin Client」も発表している。

 なおNovellは、先週ドイツで開催されたCeBITでも、Vistaを含むWindowsデスクトップを管理するためのツール「ZENworks Configuration Management」を発表している。

(デニ・コナー/Network World 米国版)

米国Novell
http://www.novell.com/
米国Microsoft
http://www.microsoft.com/

提供:Computerworld.jp