Novell、自社イベントでMicrosoftとの提携の成果を披露――仮想マシンの相互稼働、ディレクトリ連携、OpenXML対応をアピール
NovellのCEO兼社長ロン・ホブセピアン氏は、「当社は、LinuxとWindowsの混成スタック・ソースの開発に注力している。Microsoftと提携した理由はただ1つ、顧客のためだ。顧客を相互運用が可能な世界に導くことがわれわれの使命である」と強調した。
ホブセピアン氏は、およそ5,000人の来場者を前に、提携の範囲や製品間の相互運用性に関するNovellの新たな取り組みの要点を説明した。
「(Microsoftが)J2EE環境に足を踏み入れるのを絶対に許さないという立場は捨て、J2EE環境で利用できるように協力することが重要だ」(同氏)
ホブセピアン氏は、Microsoftの最高研究/戦略責任者クレイグ・マンディ氏をステージに招いて意見交換を行った。マンディ氏とNovellのホブセピアン氏は、両社の提携に向けた交渉に携わった。情報筋によると、両社は、昨年春から提携についての検討作業を開始したという。
今回のコンファレンスでは、Novellのエグゼクティブ・バイスプレジデント兼CTO、ジェフ・ジャフェ氏もステージに上がり、「いずれWindowsとLinuxという2つのOSが並び立つことになる」と強調した。
Microsoftのマンディ氏も、「われわれは現在、2つのプラットフォームが併存する発展途上の段階にいる。顧客からは、相互運用性の問題を解決するよう求める声が多く寄せられている」と述べた。
NovellとMicrosoftは、3月19日の基調講演の中で、両社の提携の最初の成果として、仮想マシンとしてWindowsが稼働するSUSE Linux、仮想マシンとしてWindowとSUSE Linuxが稼働するLonghornを披露した。また両社は、WindowsとSUSE Linuxの間でファイルをやり取りして見せ、SUSE LinuxとActive Directoryとの相互運用性をアピールした。
さらにNovellは、MicrosoftのOpenXML文書をOpenOffice形式で保存することができるOpenXML変換機能のデモを行ったほか、 SUSE Linuxカーネル上で仮想マシンとしてNetWareを稼働させることができるネットワークOSの新バージョン「Open Enterprise Server(OES) 2」の公開ベータ版も発表した。
OES 2は、Domain Services for Windowsも稼働させることが可能で、ダイナミック・ストレージ技術や64ビット・アプリケーションのサポートも盛り込まれている。さらに、 NetWareサービスをLinuxプラットフォームに移行させる機能も備えている。
Novellはこのほかに、オープンソース・チーム構成/コラボレーション機能をサポートするNovell TeamingとTeaming Plus Conferenceを追加するなどの機能強化を図った「GroupWise」をはじめ、「Identity Manager 3.5」「Sentinel Version 6」「SUSE Linux Enterprise 10 Service Pack1」「SUSE Linux Enterprise Thin Client」も発表している。
なおNovellは、先週ドイツで開催されたCeBITでも、Vistaを含むWindowsデスクトップを管理するためのツール「ZENworks Configuration Management」を発表している。
(デニ・コナー/Network World 米国版)
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提供:Computerworld.jp