NovellのSamba開発者、Microsoftとの提携に抗議の退社──Googleへ移籍

 「Samba」の開発者として有名な米国ノベルのジェレミー・アリソン氏は12月22日、IDG News Serviceの取材に対し、11月3日に発表された米NovellとMicrosoftとの提携に抗議して12月29日付けでNovellを退社、来年1月2日付けで米Googleに入社することを明らかにした。アリソン氏によると、Googleでも引き続きSambaの開発に従事するという。

 Sambaとは、LinuxサーバからWindowsクライアントにファイル/プリント・サービスを提供するオープンソースのファイル・サーバで、NovellのLinuxディストリビューション「SUSE Linux」に含まれている。

 今回、アリソン氏のNovell退社が明らかになったのは、オープンソースに関する法的問題の情報を提供しているWebサイト「Groklaw.net」に、今月21日、アリソン氏のものとして以下のコメントが掲載されたことが発端だ。

 「Microsoftとの提携は過ちであり、この提携はNovellの今後の成功の障害になるだろう。今回の提携はGPL(GNU General Public License)には違反していないとしても、GPLの趣旨には反している」

 周知のとおり、GPL(GNU General Public License)はオープンソース・ソフトウェアの代表的なライセンス・モデルだ。このコメントはアリソン氏がNovell社内のメーリング・リストに投稿したものだが、だれかがGroklawにリークしたもようだ。

 同氏はこのコメントが自身のものであり、退職の理由がMicrosoftとの提携にあることを認めたうえで、「わたしはNovellが大好きだった。楽しいことがたくさんあった」と心情を吐露した。

 アリソン氏に退職を決意させたのは、今年11月3日に発表されたNovellとMicrosoftの提携内容に含まれる1つの特許契約だ。それには、NovellがMicrosoftに4,000万ドルを支払い、MicrosoftはSUSE Linuxユーザーを特許侵害で訴えないという取り決めが記されている。

 この取り決めでは、SUSE Linuxの開発に貢献する個人や非営利のオープンソース・コミュニティ、および同ディストリビューション用のコードを作成して報酬を得る開発者は訴訟の対象にならないとされている。

 しかし、多くのオープンソース支持者はこの取り決めを批判していた。なぜなら、これはLinux推進企業が特許侵害を認めたことを意味し、将来Microsoftが特許に関して法的措置に踏み切った場合に、この取り決めがMicrosoftに優位に働くことを危惧しているからだ。実際、アリソン氏が属する Samba開発チームでも、11月12日にこの取り決めを批判する声明を発表した。

 なお、提携に抗議してNovellを退社するオープンソース開発者は、アリソン氏1人にとどまらないと憶測されている。

(エリザベス・モンタルバノ/IDG News Service ニューヨーク支局)

米Novell
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米Microsoft
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Groklaw.net
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提供:Computerworld.jp