「GNU C Library 2.36」が公開

 The GNU C Library(glibc)開発チームは8月2日、最新の安定版「GNU C Library 2.36」の公開を発表した。

 GNU C Library(glibc)はGNUプロジェクトによる標準のCライブラリ実装。移植性と性能を特徴とし、ISO C11、POSIX.1-2008、BSD、OS固有のAPIなどのAPIを提供する。ISO C11、POSIX.1-2008、IEEE 754-2008などの標準と足並みを揃えている。GNU C Library 2.36は2月に公開したバージョン2.35に続く最新版。

 関連の再配置フォーマットDT_RELRがglibcに加わった。共有オブジェクトファイルと位置独立実行形式(PIE)における関連の再配置のサイズを改善するELF動的タグとなる。Linuxでは、pidfd_open、pidfd_getfd、pidfd_send_signalが加わった。これらpidfd関数は、UNIXシステムでよく発生するPID再利用の問題を回避した形でプロセスにアクセスできるという。madviseと同じ機能を持ちながらpidfdが特定したターゲットプロセスを変更できるprocess_madvise、process_mreleaseなども加わった。

 また、Linuxカーネルの新しいマウントAPIに対応するfsopen、fsmount、move_mount、fsconfig、fspick、open_tree、mount_setattrが加わった。Linuxではこのほか、LoongArch 64ビットCPUのサポートが加わった。localedefで、UTF-8でエンコードされたロケール定義ファイルを使用できるようになった。  このほか、多数の細かな強化が加わっている。

GNU C Library
https://www.gnu.org/software/libc/