「Angular 12」が公開、”Ivy Everywhere”に向け前進

 Webアプリケーションフレームワーク「Angular」開発チームは5月13日、最新版となる「Angular 12」公開を発表した。

 AngularはTypeScriptベースのアプリケーション開発フレームワークで、Webアプリケーション、モバイル(Webとネイティブ)、デスクトップなどに向けて開発できる。Web Workers、サーバーサイドレンダリングなど高速さのための機能を備え、さまざまな統合開発環境(IDE)とエディタで利用できる。Angular 12は2020年11月に公開されたAngular 11に続く最新版。

 Angular開発チームは次世代のコンパイルとレンダリングパイプラインとして「Angular Ivy」の開発を進めており、部分的に実装してきた。”Ivy Everywhere”として、Angulerエコシステム全体にIvyが浸透することを目指す。Ivy Everywhereを一歩進めるものとして、レガシーのレンダリングパイプラインView Engineが非推奨となった。View Engineは将来のメジャーリリースで削除となる予定で、View Engineを使うライブラリはIvyアプリでも動くがIvyへの移行準備を始めるよう推奨している。

 プロジェクトはi18nシステムにある複数のメッセージIDフォーマットの整理を進めており、バージョン11で安定性があり直感的なメッセージIDフォーマットを導入した。本バージョンでは、レガシーのローカリゼーションIDを最新のアルゴリズムが用いるIDに移行するツールが加わった。これまでSassは外部リソースのみで使用できたが、@ComponentデコレータのStyleフィールドでインラインSassが使えるようになった。CLIで、開発サイクルの早期段階でエラーを認識するストリクトモードがデフォルトで有効になった。

 Angular 11で実験扱いとして導入したWebpack 5のサポートが、正式扱いとなった。TypeScriptはバージョン4.2にアップデートした。IE 11のサポートが非推奨扱いとなった。次期版(Angular 13)では削除する予定という。このほかにも、多数の機能強化が加わっている。

Angular
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