マルチターゲットデバッグのサポートを実験導入した「GDB 10.1」が公開
GNU Project Debugger(GDB)開発チームは10月24日、最新のメジャーリリースとなる「GDB 10.1」公開を発表した。マルチターゲットデバッグの実験導入などが加わっている。
GNU Project Debugger(GDB)はソースレベルのデバッガーで、Ada、C/C++、Fortran、Go、Rustなど様々な言語に対応する。様々なプロセッサアーキテクチャ上で動くプログラムのデバッグが可能で、そのものはGNU/Linux、Windowsで動く。GDB 10.1は、2月に公開されたバージョン9.1に続く最新のメジャーリリース。
新たにBPF(Berkeley Packet Filter)をターゲットにできるようになった。ネットワークトラフィックの分析などを目的に開発された技術で、Linuxでも活用が進んでいる。GDBserverも強化し、ARC GNU/LinuxとRISC-V GNU/Linuxをサポートした。
実験的に、マルチターゲットデバッグも導入した。複数のターゲットを同時にデバッグできるもので、異なるマシンで動く複数のリモートサーバーと接続するなどのことができる。また、ELF/DWARFデバッグ情報を分散するHTTPサーバーであるdebuginfodもサポートした。
GNU Guileはバージョン2に加えて2.2と3.0のサポートが加わり、これらを使ってGDBのビルドが可能になった。Guile API、Python APIも強化した。このほかにも、細かな機能強化が加わった。
GDB
https://www.gnu.org/software/gdb/