「Dart 2.10」が公開、各種開発ツールを統合したdartツールを導入

 プログラミング言語「Dart」の開発チームは10月2日、「Dart 2.10」公開を発表した。これまで個別に提供していた開発ツールをまとめた単一のdartツールが導入されるなどの強化が加わっている。

 DartはGoogle(米Alphabet傘下)で開発されている汎用目的のプログラミング言語。モバイル、Web、サーバーサイドなどのアプリを作成でき、JavaScriptに変換して実行したり、独自の仮想マシン(Dart VM)上で実行できる。async-waitなどUI構築に最適化されており、ホットリロードなど開発者の生産性のための機能も特徴とする。もともとはJavaScriptの代替を目指して開発がスタートしたという経緯を持つ。

 Dart 2.9は、2018年に公開されたバージョン2系の最新のポイントリリースとなる。最新版では、新しいコマンドラインツールとしてdartツールを導入した。プロジェクト作成、コード解析・フォーマット、テスト、アプリのコンパイルなど全ての開発タスクを行うツールで、これまではdartfmt、dartanalyzerなどと個別に用意していたツールを統合する。

 Dartが土台をなす「Flutter SDK」と歩調を合わせたものとなり、Flutter SDKでも同日公開した「Flutter 1.22 SDK」より最新のDartツールが含まれる。 開発チームは今後のリリースでdartツールに機能を追加して、dartdoc、dartfmt、dartanalyzerといったこれまでの個別のツールを非推奨にしていく計画だ。また、2021年には、単一のdartツールのみを含むDart SDKをリリースする計画だという。

 2.9公開に合わせて、6月に最初のテクニカルプレビューを公開したnull安全性についても触れている。null安全は見つけるのが難しいnullエラーを回避するツールとして考えており、性能の強化にもつながると見ているという。今後の計画として、Flutterのポートを行い、今後1ヶ月程度でFlutterサンプルでnull安全を試すことができるテクニカルプレビュー2を公開する。その後、パフォーマンスのチューニングなどを経て年内にベータ版を公開し、フィードバックを見ながら2021年前半にも正式版を公開したいとしている。

Dart
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