「Python 3.9」が公開

 プログラミング言語Pythonの開発コミュニティとリリースチームは10月5日、最新版となる「Python 3.9.0」公開を発表した。

 Python 3.9は2019年10月に公開されたバージョン3.8に続く最新版。Pythonは2019年秋にリリースサイクルを変更して年一度に短縮する方針を決定しており、Python 3.9はそれに基づくものとなる。

 シンタックスでは、PEP 584として2つの辞書オブジェクトをマージできる演算子が加わった。Python関数をラッピングして振る舞いを変更するデコレーターの文法制限が緩和され、任意の有効な表現を利用できるようになった。リストとディレクトリで型ヒントを利用できるようになった。また標準ライブラリでは、typingモジュールにAnnotated typeが加わり、型ヒントに任意のメタデータを追加できるようになった。

 標準ライブラリではまた、os.pidfd_open()で、レースとシグナルなしにプロセス管理ができるようになった。ビルトインの機能として、接頭語と接尾語を除去する文字列のメソッドとしてremoveprefix()とremovesuffix()が加わった。インタープリタでも多数の強化が加わり、性能を改善したた。CpythonはPEGベースの新しいパーサーを使用するようになったほか、3.8で導入したvectorcallが使用できる範囲を拡大した。ライブラリモジュールとして、IANA Time Zone Databaseがzoneinfoの標準ライブラリに加わった。

 新しいリリースサイクルの下、サポート期間はフルサポートは18ヶ月、セキュリティ修正は3年半となる。Python 3.9は2012年5月までバグ修正が受けられることになる。3.9公開に合わせ、次期3.10のリリースマネージャーより初のアルファリリースの概要が公開されている。

 Python 3.9はプロジェクトのWebサイトより入手できる。なお、Windowsのデフォルトインストーラーが64ビットとなった。Python 3.9はWindows 7以前をサポートしておらず、Windows 7上のインストールが無効になると警告している。

Python
https://www.python.org