「Blender 2.90」が公開、スカイテキスチャの強化などが加わる

　オープンソースの3D CG制作ソフトウェアBlender開発チームは8月31日、最新版となる「Blender 2.90」公開を発表した。

　Blenderは3D CG制作ソフトウェアでモデリング、リギング、アニメーション、シミュレーション、レンダリング、モーション追跡、動画編集、2Dアニメーションパイプラインなどの機能を備えるスイート。Linux、macOS、Windowsなどで利用できる。Blender 2.9は2019年7月に公開されたバージョン2.8に続く最新版。なお、6月には初の長期サポート版としてBlender 2.83が公開されている。

　Cyclesで、スカイテキスチャNishitaを導入した。高精度の光散乱モデリングなどが可能で、これまでのベーシックなものよりも複雑な空のエフェクトを演出できるという。モーションブラーのEEVEEも強化した。

　Intelがオープンソースとして公開する高性能レイトレーサー「Intel Embree」のサポートを拡大し、CPU上のレイトレーシングとして利用することでモーションブラーのあるシーンのCyclesの性能が改善するという。

　バージョン2.81で導入したレイトレーシング向けの高性能ノイズ除去ライブラリ「Intel OpenImage Denoise」もサポートを拡大し、コンポジタだけでなく、3Dビューポート、ファイナルレンダーでもインタラクティブに使うことができるという。

　これまでRTX GPUに留まっていたNVIDIA OptiXサポートが、Mazwell以上の全NVIDIA GPUで利用できるようになった。また、Cyclesのデバイス設定でCUDAとOptix向けNVIDIA NVLinkのサポートを有効にすることで、大きなシーンのレンダリングを改善するという。

　シェーディングでシャドウターミネーターオフセットを導入、ライトとダークを分ける線をライト方向にすることで、Smooth Normalのシェーディングアーチファクトを回避できるという。

　4種類のシミュレーションを使ってメッシュでクロスシミュレーションができるクロスフィルタを導入した。このほかにも、マルチレゾリューション、オートマスキングの再設計など多数の機能強化が加わっている。

Blender
https://www.blender.org