IDEを強化した「Kotlin 1.4」が公開

 チェコJetBrainsのオブジェクト指向プログラミング言語「Kotlin」開発チームは8月17日、最新版となる「Kotlin 1.4」を公開した。IDE(統合開発環境)、コンパイラなどで強化が加わっている。

 KotlinはJava仮想マシン Webブラウザ、Androidを対象とするプログラミング言語。静的型付け、Java互換性などを特徴とし、JetBrainsのIntelliJ IDEAのほか、Android Studio、EclipseなどのJava IDEやコマンドラインを使って構築できる。Kotlin 1.4は2018年10がつに公開されたバージョン1.3に続く最新版。

 これまではJavaメソッドとJavaインターフェイスからのみSAM(Single Abstract Method)変換を適用できたが、KotlinインターフェイスでSAM変換をサポートした。

 IDEでは、バージョン1.3で正式扱いとなったコルーテイン向けのコルーチンデバッガを導入した。並行型アプリケーションのバグの特定など、コルーチンが使いやすくなるという。新しいウィザードKotlin Project Wizardも導入、複雑な構造のプロジェクトの開始にも対応できるという。

 IDEではこのほか、大規模なファイルにおける自動補完候補の表示、ハイライト表示が高速になるなど性能も強化したほか、安全性も改善した。

 コンパイラが新しくなり、型推論アルゴリズムを強化した。自動型推論ユースケースが増え、複雑なシナリオでのスマートキャストなどの機能が加わり、デフォルトで有効となった。

 開発チームは現在、実行ファイルを生成する3つのバックエンド(Kotlin/JVM、Kotlin/JS、Kotlin/Native)のうち、Kotlin/JVMとKotlin/JSを同一のIRに移行させる作業を進めている。これにより、3つのバックエンドが共有するロジックが増えるという。パイプラインの統一も進めており、最新版ではこれらをアルファとして提供する。

 このほかにも多数の強化が加わっている。

Kotlin
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