「Linux 5.8」が公開

 Linus Torvalds氏は8月2日、最新のLinuxカーネル「Linux 5.8」を公開した。大型のリリースとなり、Kernel Concurrency Sanitizerの導入などが特徴となる。

 Linux 5.8は5月末に公開されたバージョン5.7に続く最新のカーネル。7回のリリース候補(RC)を経てのリリースとなった。

 コンパイル時にメモリアクセスを測定することでカーネルのデータレースを検出するKernel Concurrency Sanitizer(KCSAN)が加わった。カーネルイベント通知サブシステムが加わった。カーネルからの通知メッセージを接合してユーザー空間が開くパイプにするもので、内部バッファを使ってカーネルが生成するメッセージを保持してread(2)により読み取る。

 ブロックレイヤーでのInline Encryptionのサポートが加わり、Inline Encryptionハードウェアがストレージデバイスへのデータ転送リクエストに合わせて暗号化キーやアルゴリズムなどを特定できるようになった。

 IPv6でMulti-Protocol Label Switching(MPLS)もサポートした。IEC 62439-2として標準化されているMedia Redundancy Protocol(MRP)もサポートした。

 BPF(Berkeley Packet Filter)で、権限を制限するCAP_BPF、性能モニタリングのCAP_PERFMONが加わった。

 このほかにも、ハードウェア、ドライバーのアップデートなど細かな機能が加わっている。

kernel.org
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