Tensorflowなど機械学習とAIが加わった「OpenSUSE Leap 15.2」が登場

 openSUSEリリースチームは7月2日(ドイツ時間)、Linuxディストリビューションの最新版となる「OpenSUSE Leap 15.2」を公開した。TensorflowなどAIと機械学習のパッケージが多数加わり、コンテナも強化した。

 openSUSEは、独SUSEの支援を受けるオープンソースのLinuxディストリビューション。SUSEの商用版「SUSE Linux Enterprise(SLES)」のベースとなるコミュニティ版で、openSUSEには安定性を重視したLeapのほか、ローリングリリースモデルで最新の機能を含むTumbleweedもある。

 openSUSE Leap 15.2は、2019年5月に公開されたバージョン15.1に続く最新版。Linux 5.3、SUSE Linux Enterprise 15 Service Package 2を土台とする。

 Tensorflow、PyTorch、ONNX、Grafana、Prometheusなど、AIと機械学習をパッケージした。

 コンテナも強化し、Kubernetesが公式パッケージとなった。Kubernetes向けのパッケージ管理であるHelmも加わり、開発者やシステム管理者はKubernetesアプリケーションの定義、インストール、アップグレードにまつわる複雑性を管理できるとしている。

 コンテナではまた、Open Container Initiative(OCI)準拠のランタイムを実装した KubernetesのContainer Runtime Interface(CRI)のCRI-Oも加わった。CRI-OはDockerランタイムの代替となり、これを利用してKubernetesが任意のOCI準拠ランタイムをコンテナランタイムとしてpodsを走らせるなどのことができるという。

 アプリケーションコンテナとサービス間の安全な接続と負荷分散の機能を持つCiliumも導入した。ネットワーク層とアプリケーション層のセキュリティポリシーを定義できるという。

 Real-Time Kernel機能も導入し、マイクロプロセッサがスピード重視のイベントを効率よく処理できるようになった。これにより、エッジコンピューティング、組み込みデバイスなど新しい用途が開けるとしている。

 インストールでは、AutoYaSTを使った無人インストールを改善した他、Microsoft Windowsパーティションの検出精度が改善した。また、Raspberry Pi向けのストレージデバイスの管理も強化した。

 構成管理のYaSTでは、/usr/etcと/etcのディレクトリ分割に向けた作業を進めた。関連するモジュールの新しい構造をサポートし、システム管理者は一元的に設定を調べることができる。Windows Subsystem for Linux(WSL)上でLeapを実行するための互換性も強化した。

 デスクトップ環境ではKED Plasma 5.18、GNOME 3.34、Xfce 4.14など、最新版にアップデートした。この他多数の強化や最新のパッケージが加わっている。

openSUSE
https://www.opensuse.org/