新しいファイル共有ツールを導入した「Linux Mint 20(Ulyana)」が公開

 UbuntuベースのLinuxディストリビューションLinux Mint開発チームは6月27日、最新のメジャーリリースとなる「Linux Mint 20」(開発コード「Ulyana」)を発表した。デスクトップ環境として「Cinnamon」や「MATE」、「Xfce」を採用するインストーラが提供されている。

 Linux Mintはモダンで使いやすいOSを目指したLinuxディストリビューション。UbuntuとDebianをベースとし、デフォルトのデスクトップ環境としてはCinnamon、MATE、Xfceの3種類が提供されており、インストール後すぐに利用できる点などユーザビリティの高さに注力している。UbuntuやDebianの豊富なパッケージを活用できる点も特徴。

 Linux Mint 20は2018年に公開されたLinux Mint 19に続く最新版で、2025年までサポートされる長期サポート版。Linuxカーネル5.4、Ubuntu 20.04をベースとする。

 ファイル共有ツールとして「Warpinator」を導入した。Linux Mint 6では同種のツールとして「Giver」を導入していたが、プロジェクト打ち切りによりLinux Mintから削除されていた。Warpinatorはこれを置き換えるものとなり、FTP、NFS、Sambaなどのサーバー設定なしに、ローカルネットワークにあるコンピューター間でファイルを共有できるという。

 NVIDIA Optimusのサポートを強化し、NVIDIA PrimeアプレットでマシンのGPUレンダラーを表示してグラフィックカードを切り替えられるようになった。合わせて、NVIDIA “On-Demand”プロファイルもフル対応した。

 XAppStatusIconを強化し、マウスウィールのスクロールイベント処理ができるようになった。Cinnamon、MATE、Xfceの3エディションで、多くのトレイアイコンが調和され外観の改善を図った。

 ユーザー環境では、Cinnamonはバージョン4.6に、MATEは1.24、Xfceは4.14を採用する。中でも、独自のCinnamon 4.6ではNemoファイルマネージャーの性能強化、ノーマルモード(100%)とHiDPIモード(200%)の間の解像度設定が可能になった。

 Linux MintはプロジェクトのWebサイトより入手できる。

Linux Mint
https://linuxmint.com/