「Linux Mint 18.2 “Soyna”」リリース

 Linuxディストリビューション「Linux Mint」を開発するClement Lefebvre氏は7月2日、「Linux Mint 18.2 “Sonya”」を発表した。Cinnamon、KDE、MATE、Xfceというそれぞれ異なるデスクトップ環境をベースとする4つのエディションが公開されている。

 2016年末に公開されたバージョン18.1 ”Serena”に続く最新版。Ubuntu 16.04 LTSをベースとしており、2021年までサポートされる長期サポート版となる。採用するLinuxカーネルのバージョンは4.8.0-53。

 Cinnamon版では最新のCinnamon 3.4を搭載した。デスクトップアイコンの処理が変更され、自動でグリッド上に表示されるようになった。並べ方は、列または行を設定できる。また、アイコンのソートも、名称、サイズ、種類、最後にアクセスした日時別にできる。クリックによりアイコンの大きさも調整できる。アイコンの処理は別プロセスとなり、独自ファイルシステムのnemoウィンドウとは紐付けされないとのこと。

 設定デーモンのプラグインも、それぞれ独立して別プロセスで動作するようになった。これにより、どのプラグインがメモリやCPUのリソースを使っているかを把握しやすくなるという。プラグインがクラッシュしても、Cinnamonバックエンドに影響は出ないとのことだ。CJS JavaScriptインタープリタがMozillaのmozjs 38ベースとなり、性能も強化した。

 Cinnamonデスクトップを拡張、カスタマイズできる公式アドオン「spices」リポジトリの「Cinnamon Spices」もリニューアルし、アドオンの安全性、互換性などを強化した。Google、Facebook、GithubのOAuth認証をサポートし、コメントを書き込んだり、評価できるようになった。spicesのメンテナンスはGitHubベースとなり、Linux Mintチームが全ての変更をレビューするようになった。

 このほか、Bluetooth設定の「Blueberry」、汎用のテキストエディタ「Xed」、メディアプレイヤー「Xplayer」、PDF/ドキュメントビューア「Xreader」などのアプリケーションも強化されている。「Update Manager」では、ポリシーとレベルの定義をさらに細かく設定・フィルタリングできるようになった。OSに与える影響のないアップデートはレベル1に分類され、複数のアプリケーションに影響があるツールキットやデスクトップ環境、ライブラリはレベル3、カーネルはレベル4で、ほとんどのアップデートがレベル2となっている。

 また、LibreOffice 5.1.6.2、Firefox 54、GIMP 2.8.16などアプリケーションも最新のものにアップデートされている。Mate版はMATE 1.18を、KDE版はKDE Plasma 5.8.7/KED Framework 5.35を、Xfce版はXfce 4.12をベースとする。それぞれLinux MintのWebサイトなどから入手できる。

Linux Mint
https://linuxmint.com/