オープンソースの音楽制作ソフトウェア「Ardour 6.0」リリース、2年ぶりのメジャーリリース
オープンソースの音楽制作ソフトウェア「Ardour」開発チームは5月24日、最新のメジャーリリースとなる「Ardour 6.0」を発表した。内部の開発を進め、遅延補完などが強化された。
Ardourはオーディオの録音、編集、ミキシングといった機能を備えるデジタルオーディオワークステーション(DAW)ソフトウェア。WindowsやmacOS、Linux、FreeBSDといったプラットフォームで動作する。オーディオとMIDIを扱うことができ、WAV、AIFF、CAF、BWF、FLAC、Ogg/Vorbis、MP3などさまざまなファイルフォーマットでの出力が可能。LV2、VST(WindowsとLinux)、macOSではAU(AudioUnits)などのプラグインにも対応する。ライセンスはGNU Publice License v2。
Ardour 6は2016年に公開されたバージョン5系に続く最新のメジャーリリースとなる。2017年9月のバージョン5.12公開以来のリリースで、内部の開発に時間を要したと説明している。
信号処理フローにおける遅延を改善し、あらゆる信号処理パスで遅延補完を行うようになった。オーディオの再生速度を変更する「Varispeed」機能では新たに開発された高品質のリサンプリングエンジンを利用するようになった。
キューモニタリング機能では、録音済みのデータと入力された信号の両方をモニタリングできるようになった。録音では、Channelの音声フローのどのポジションからでもレコーディングが可能になった。
MIDI処理も開発の大きなフォーカスとなった。再生時のMIDIデータ処理方法を完全に書き直し、これまでの問題の多くを解決したという。MIDIワークフローの改善は、今後も開発を続けていく分野としている。
プラグインでは「ピン管理」システムが導入され、プラグイン間の任意の接続が可能になった。
バージョン6ではまた、FLACがネイティブの録音フォーマットに加わった。また、OSでMP3のインポートとエクスポートが可能になり、エクスポートではメタデータタグ付けも可能という。
このほか多数の強化が加わっている。バージョン6.0のリリースを受け、開発チームは今後は隔月のリリースサイクルに戻したい意向を示している。
Ardour
https://ardour.org/