オープンソースのベクター画像編集ソフト「Inkscape 1.0」リリース

 ベクター画像編集ソフトウェア「Inkscape」開発チームは5月4日、「Inkscape 1.0」を公開した。macOS版でネイティブGUIに対応し、ユーザーインターフェイスも新しくなった。

 Inkscapeはオープンソースのベクターグラフィック編集ソフトウェア(ドローソフトウェア)。「Sodipodi」からフォークして生まれたプロジェクトで、ベクター画像の編集だけでなくカラーセレクタ、テキストのサポート、レンダリングなどの機能も備え、SVGを初め、XML、PNG、OpenDocument Drawing、DXF、PostScriptなどさまざまなファイルフォーマットを処理できる。WindowsおよびmacOS、Linuxで動作し、ライセンスはGPLv2。

 3年近くの開発期間を経てのリリースとなり、多数の新機能や機能強化が加わっている。大きなものとしてはエディタのユーザーインターフェイスの改善があり、これまではGTK2を使っていたGUIツールキットがGTK+3ベースのものに更新された。また、HiDPI(High Dots Per Inch)画面のサポートも強化した。

 ツールボックスも再構成され、パスに何らかのエフェクトを適応するLive Path Effect(LPE)機能が加わった。LPEセレクションダイアログ、お気に入り機能などを利用できる。ペンシルツールで圧力感知に対応するPowerStroke LPEも加わった。

 キャンバスの回転やミラーリングが可能になり、ビューの分割、レントゲン(X-Ray)モードもサポートした。ファイルフォーマットでは、PNG形式のエクスポートをサポートした。

 macOS版では、従来はX11(X Window System、XQuartz)ベースでGUIが構築されていたが、本バージョンではmacOXのネイティブGUIフレームワークを使って実装されたものが採用され、実行時にX11が不要となった。ただし、現時点では「プレビュー」との位置付けで、次のバージョンで機能追加を行う予定という。LinuxとWindowsでは全体の性能を改善しスムーズに操作できるようになった。

 なお、拡張システム作り直しの一環としてPython 3へのマイグレーションを進めた結果、一部のサードパーティ拡張が使用できない可能性があるという。このほか、多数の機能が加わっている。

Inkscape
https://inkscape.org/