「PostgreSQL 12」リリース、性能面でさまざまな強化が行われる

 PostgreSQL Global Development Groupは10月3日、オープンソースのデータベースシステム「PostgreSQL 12」を公開した。性能の強化や、JITコンパイラのデフォルト有効化などが特徴となる。

 PostgreSQL 12は2018年10月に公開されたバージョン11に続くメジャーリリース。本リリースではインデックスシステムとパーティションの性能が強化されているという。まず標準のインデックスタイプであるB-tree Indexが最適化され、インデックスの修正が頻繁に起こるインデックスのワークロードの処理が改善された。大規模なデータセットを利用するケースなどでクエリ性能が改善されるという。さらに、全体のストレージスペース使用率も改善された。TPC-Cベンチマークでは、スペース使用率は平均40%削減され、全体としてクエリ性能も強化されたという。パーティションされたテーブルのクエリも改善された。

 バージョン11で導入したLLVMベースのJITコンパイルがデフォルトで有効になった。WHERE句、ターゲットリスト、集計などで式を実行する性能が改善されるという。

 SQL/JSONパス表現がサポートされたほか、認証機能も強化され、GSSAPIインターフェースを利用する認証でクライアントとサーバーの両サイドの暗号化が可能になった。また、OpenLDAPを有効にしてコンパイルすることで、LDAPサーバーの検出が可能になった。

 REINDEX CONCURRENTLYコマンドを使ってインデックスへの書き込みを遮断することなくインデックスを再構築できるようになった。また、pg_checksumsコマンドでデータベースクラスタがオフライン時にページチェックサムを有効・無効にできるようになった。

 このほかにも多数の強化が加わっている。

PostgreSQL
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