米Microsoft、JVMのチューニング技術を持つjClarityを買収

 米Microsoftは8月19日、Java仮想マシン(JVM)の性能チューニング技術を提供する英jClarityの買収を発表した。Azure上のJavaワークロードの性能強化を目的としたもので、jClarityが進めるOpenJDKへの貢献も支援するという。

 jClarityはJavaの性能改善に関する技術を開発・提供するベンダーで、JVMガベージコレクションサブシステムのログファイルを解析する「Censum」、JavaやJVMの性能を診断する「Illuminate」などの技術を持つ。米Intel、米Uber Technologies、米Kayak、仏BNP Paribasなどが同社の技術を利用しているという。

 また、同社は米OracleがJavaのライセンスモデルを変更したことを受け、OpenJDKディストリビューション「AdoptOpenJDK」プロジェクトも共同創設している。同プロジェクトを利用してOpenJDKクラスライブラリの事前構築済みのバイナリを生成でき、OpenJDK HotSpotまたはEclipse OpenJ9からJVMを選択できる。Microsoftは、米Amazon、米IBM、Red Hatなどと共にAdoptOpenJDKの支援ベンダーに名を連ねている。

 MicrosoftはjClarity買収により、jClarityのJVM最適化技術とJava専門家、データサイエンティストなどを獲得する。Microsoftによると過去数年で社内でのJavaの使用は急増しており、Azure HDInsightやMinecraftなどの大規模な実装もあるという。また、米Adobe Systemsを始め多数の顧客がAzureでJavaの運用ワークロードを利用しているとも述べている。

 今後、Java顧客向けにAzureプラットフォームを改善し、Java開発者とエンドユーザー向けに体験や性能を改善するほか、jClarityメンバーによるOpenJDKコミュニティへの貢献も支援するとしている。

jClarity
https://www.jclarity.com/

AdoptOpenJDK
https://adoptopenjdk.net/