インターネット活動の自由を目指すディストリビューション「Freedombone 4.0」リリース

 メールやファイル同期といったインターネットサービスを自分たちで運用できるソフトウェアの提供を目指すFreedomboneプロジェクトは8月5日、「Freedombone 4.0」を公開した。

 Freedomboneはフリーソフトウェア開発者のBob Mottram氏が進めるプロジェクトで、「クラウドにおける自由」や「人のインターネットのためのソフトウェア」を標榜する。「メインストリームのソフトウェアは破壊されており、それを開発する組織は信頼できない」として、メール、チャット、VoIP、Webサイト、ファイル同期、Wiki、ブログ、ソーシャルネットワーク、バックアップ、VPNなどのインターネットサービスを自分自身で動かすためのディストリクトビューションを目指す。古いノートPCやシングルボードコンピュータでこういったサービスを動かしたり、ローカルエリアでメッシュネットワークを設定するのに利用できるとしている。

 Freedombone 4.0はDebian 10をベースとする。コミュニティが自分が使用するネットワークを構築・運用するための第一歩としてCommunity Networksを導入した。コミュニティのユーザーがルーター、ケーブル、アンテナなどの物理インフラを所有するモデルで、自分の住むエリアで他のノードを探したり、自分でノードを構築するための機能を備える。「より良いインターネットが欲しいなら、シリコンバレーの億万長者よりも普通の人が運用する方がいい」とMottram氏は記している。

 Wireguard VPN、RSSなどを導入、nftablesを使用する新しいファイアウォールも加わった。テーマ、多言語対応も強化した。

 一方で、ミニブログサーバーのGNU Social、マイクロブログのPostActiv、分散型ソーシャルネットワークサービスPleromaの「Fediverse apps」が削除された。セルフホスティングにおけるメンテナンスの複雑さやユーザー体験があまり良くないことを理由に挙げている。将来、分散型SNSオープン標準であるActivityPubを加える可能性があるという。

 Freedombone 4.0は、事前ビルド済みのイメージおよびソースコードをプロジェクトのWebサイトより入手できる。

Freedombone
https://freedombone.net