「NativeScript 6.0」リリース、開発生産性向上に注力

 モバイルアプリ開発のためのJavaScriptフレームワーク「NativeScript」開発チームは7月17日、最新のメジャーリリース版となる「NativeScript 6.0」を公開した。開発生産性にフォーカスした機能強化が図られ、Angular 8のサポート、ダークモードのフル対応なども加わった。

 NativeScriptはオープンソースで開発・提供されているモバイルアプリ開発向けのフレームワーク。Andular、Vue.js、TypeScript、JavaScriptといったWebアプリケーション開発で使われている技術を活用してiOSやAndroid向けのネイティブアプリを開発できる。iOSやAndroidのAPIに直接アクセスでき、さまざまな周辺技術を活用できるほか、プラグインやテンプレート、アプリケーションサンプルなどを提供するMarketplaceも用意する。米Progress Softwareが出資するプロジェクトで、ライセンスはApache License 2。

 NativeScript 6.0は2018年11月に公開したバージョン5に続くメジャーリリース。開発の生産性にフォーカスしたリリースとなり、高速なパッチ配信のための新機能NativeScript AppSync(ベータ)、すぐに使えるNativeScript Core Theme、TabViewの強化などが加わっている。

 NativeScript AppSyncはアプリケーションの最新版を高速に配信する新機能。設定によってはユーザーに最新版の使用を強制できるという。ユーザーからの要望が多かった機能で、6.0ではベータ扱いとして導入した。

 共通のUIインフラとなるNativeScript Core Themeがバージョン2となり、Dark Themeが加わった。姉妹プロジェクトのKendo UIを利用するユーザーはKendoのテーマを再利用したり、Kendo Theme Builderを使ってNativeScriptアプリケーション向けに新しいテーマを作成できる。テーマではプラグ&プレイ化も進めた。これによって、テーマをインストールするだけでマニュアルでのクラス設定なしにテーマを利用できるという。

 TabViewを完全に書き直し、すべてのコンポーネントがスタイル可能となり、フォントアイコンもサポートした。旧バージョンのTavViewとの互換性もあるという。

 NativeScript CLIではアプリのビルド手法として、全ソースコードをコピーする既存のLegacy Workflowに加え、WebPackを使ってソースコードをバンドルするBundle Workflowの2種類を用意する。またHot Module Replacement(HMR)もデフォルトで有効となった。

 これら開発生産性に関連した機能強化に加えて、AndroidX、Angular 8対応も実現した。

NativeScript
https://www.nativescript.org/